バルセロナからレッチェへとレンタル移籍中の元フランス代表DFサミュエル・ユムティティが、今シーズンについて語った。25日、スペイン紙『アス』が伝えている。
1993年11月14日生まれのユムティティは現在29歳。リヨンの下部組織出身で、2011年にトップチーム昇格を果たした同選手は、2016年夏にバルセロナに加入した。初年度からジェラール・ピケの相棒を務めるなど、『カンプ・ノウ』での最初の2シーズンは順調に進むと、フランス代表として2018年のロシアW杯優勝も経験。しかし、徐々に負傷離脱の回数が増えていき、昨シーズンに至っては公式戦出場試合数はわずか「1」にとどまっていた。
近年はケガに悩まされただけではなく、指揮官からの信頼をも得られなかったユムティティ。ロナルド・クーマン前監督やシャビ監督の構想外となり、ついに昨夏の移籍市場でクラブを退団した同選手は、フランスメディア『Canal+』で「評価されることを必要としていた。僕は役に立ち、尊敬されたかったんだ。カタルーニャでは、4年間を刑務所で過ごした気分。スポーツ面だけではなく、日常生活においてもね」と吐露。続けて「スペインに移籍した当初は、評価されていると感じたし、良いレベルでプレーできていた。ただその後、不信感を抱き始め、気分が悪くなり、もう誰も自分のことを信じてくれないと悟ったよ」と苦悩の日々を振り返った。
そんなユムティティだが、レンタル移籍加入したレッチェではここまで公式戦23試合に出場。かつての輝きを取り戻しつつある同選手は「僕にとっては挑戦だった。ここで救われたという事実は、優勝にさえ値する。サレントの地で再び笑顔を取り戻せたのだから、この街には感謝の思いでいっぱいだ」と告白。加えて「良い気分で続けたいという願いは、イタリアで叶えた。言葉も食べ物もファッションも好きだ」と心身ともに充実したシーズンを過ごしているようだ。
セリエA第36節終了時点で、降格圏とは3ポイント差の16位につけるレッチェ。果たして、ユムティティはセリエA定着を目指すクラブで、ディフェンスラインの元帥として残留の立役者となり、自らの“ルネサンス”をも示すことはできるのだろうか。