【ブンデスリーガ】ドルトムント2-2マインツ(日本時間5月27日/ジグナル・イドゥナ・パルク)
最終節のホーム戦、スタジアムに入りきれなかった多くのファン・サポーターたちが11年ぶりの快挙の瞬間を一目見ようとジグナル・イドゥナ・パルクの外にも大挙していた。
勝てば無条件で優勝確定のドルトムントだったが、前半からマインツに2点先制され劣勢に。後半はなりふり構わない必死の反撃で69分にゲレイロが1点返すも、追加点が奪えないまま時計の針は進んでいた。そして、別会場では2位・バイエルンが89分に勝ち越し点。この時点で両者の勝ち点が並んだため、得失点差の少ないドルトムントは2位に陥落、勝利以外に優勝する術はなくなった。
ドルトムントにとっては大きな悔しさが残る1日となってしまった。マインツに勝てば無条件に優勝という状況だったが、15分に先制点を献上すると、19分にアレが痛恨のPK失敗。そして24分に追加点を奪われて0-2で前半を折り返した。
後半に攻勢を強めたドルトムントは69分、ワンツーで崩しながらボックス中央に侵入したゲレイロが滑り込みながらシュートを放ち1点を返上、さらに終了間際の96分、セカンドボールに反応したズーレが強烈なシュートを叩き込み、意地の一撃で同点に追いついた。だが反撃はここまで。ゴール前に放り込まれたロングボールの跳ね返りに粘り強く対応するズーレから、マインツにボールが渡ったところで試合終了のホイッスル、ドルトムントの選手たちはピッチに崩れ落ちた
解説の水沼貴史氏は「ほんのわずか及びませんでしたね。最後の最後に苦しめられました。マインツの集中した守備とスペースを与えない守りが本当によかったと思います」とチームをまとめ上げたスヴェンソン監督の手腕を称賛。
そして、倒れ込み涙ぐむ選手ひとりひとりに声をかけてまわるテルジッチ監督の姿が映し出されると「再三のチャンス、フィニッシュもあり、ただフィン・ダーメンのセーブがあって...。アレは相当責任を感じているかもしれない。追いつけるチャンスは早い時間帯にはあったんでね」とPKを失敗したアレの心情を慮った。
ABEMAで実況を務めた下田恒幸氏が「ジグナル・イドゥナ・パルクは何とも言えない余韻に包まれています」と伝えたとおり、スタンドを埋め尽くしたファン・サポーターから、試合終了後も悲願のリーグ制覇を成し遂げられなかった選手たちを鼓舞する大きな拍手とチャントが鳴り響いた。これには沈んでいたドルトムントベンチも反応、コメントやSNSでも「感動した」「世界一のサポーター」「選手へのリスペクト」などと感動の声があがった。
今季のブンデスリーガは首位バイエルン、2位ドルトムントともに勝ち点71と最後の最後までもつれた激動のシーズンとなった。得失点差で優勝を逃すという悲劇を味わったドルトムントは、「最強のサポーター」とともにこの悔しさを来季以降、晴らすことができるだろうか。
(ABEMA/ブンデスリーガ)