アトレティコ・マドリード、レアル・ソシエダ

 ラ・リーガ第37節が28日に行われ、アトレティコ・マドリードとレアル・ソシエダが対戦した。

 既に来季のチャンピオンズリーグ(CL)出場権を手にしているアトレティコ・マドリードにとって、次なる目標はレアル・マドリードを追い抜いての2位フィニッシュだ。今節破れると3位でのシーズン終了が確定してしまうため、今季のホーム最終戦を白星で飾りたい。対するレアル・ソシエダは現在CL出場権争いの真っ只中だ。今節を勝利で飾れば無条件で来季のCL出場が確定する。引き分け以下で終わっても5位ビジャレアルの結果次第では4位フィニッシュが決定するが、“上位対決”を制して来季のCL行きを決めたい一戦だ。

 アトレティコ・マドリードは“エース”のアントワーヌ・グリーズマンを筆頭に、コケ、ロドリゴ・デ・パウル、ヤニック・カラスコらが先発に入った。対するレアル・ソシエダは久保建英がラ・リーガ2試合連続のスタメン出場。ミケル・メリーノやミケル・オヤルサバルも先発に名を連ね、今季限りでの退団が発表されたアシエル・イジャラメンディもスタメン出場となった。

 試合は立ち上がりから拮抗した展開となったものの、徐々にホームチームが主導権を握っていく。35分には中盤でグリーズマンからの落としを受けたデ・パウルがドリブルで前進。ペナルティエリア左でスルーパスに反応したカラスコが左足フィニッシュまで持ち込んだが、シュートはゴール右へと外れた。

 均衡が破れたのは37分。自中央でボールを持ったデ・パウルが右サイドへ展開すると、流れてボールを拾ったグリーズマンが体制を立て直して中央へドリブルを開始。ペナルティエリア右へのカットインから左足を振り抜くと、コースを狙った一撃がゴール左下隅に吸い込まれた。ホームチームが1点を先制してハーフタイムに入っている。

 後半に入ってもアトレティコ・マドリードが盤石の試合運びを見せ、レアル・ソシエダはやや力の差を見せつけられる展開に。それでも66分にはチャンスが到来。マリオ・エルモソのパスが乱れたところを狙っていたアンデル・バレネチェアが右足を振り抜いたが、シュートはGKイヴォ・グルビッチに阻まれた。

 アトレティコ・マドリードは73分、自陣右サイド開いた位置でボールを受けたナウエル・モリーナが斜めのパスを送ると、アンヘル・コレアがスピードを殺さない巧みなターンで前を向く。パスを受けたグリーズマンがダイレクトでスペースへ繋ぐと、最後は駆け上がっていたモリーナが右足シュートをファーサイドに突き刺した。流れるような攻撃でアトレティコ・マドリードが追加点を記録し、勝利を大きく手繰り寄せた。

 対するレアル・ソシエダは88分、スピーディなカウンターでゴールに迫る。ピッチ中央付近のスペースで前を向いたブライス・メンデスが左足アウトサイドで背後のスペースへスルーパスを送ると、抜け出したアレクサンダー・セルロートがGKと1対1のチャンスを迎える。得意の左足でゴールネットを揺らし、レアル・ソシエダが1点を返した。

 試合はこのままタイムアップ。アトレティコ・マドリードがラ・リーガ2試合ぶりの白星を手にし、レアル・マドリードとの勝ち点差「1」をキープして最終節に突入することとなった。対するレアル・ソシエダは連勝が「2」でストップ。第29節アスレティック・ビルバオ戦以来となる8試合ぶりの黒星を喫した。だが、他会場ではビジャレアルがラージョ・バジェカーノに1-2で敗れたため、この時点でレアル・ソシエダの4位フィニッシュが確定。10シーズンぶりにCL出場権を掴んだ。なお、久保は71分までのプレーとなっている。

 次節は6月4日に行われ、アトレティコ・マドリードは敵地でビジャレアルと、レアル・ソシエダはホームでセビージャと、それぞれ対戦する。

【スコア】
アトレティコ・マドリード 2-1 レアル・ソシエダ

【得点者】
1-0 37分 アントワーヌ・グリーズマン(アトレティコ・マドリード)
2-0 73分 ナウエル・モリーナ(アトレティコ・マドリード)
2-1 88分 アレクサンダー・セルロート(レアル・ソシエダ)