オリヴィエ・ジルー

 セリエA第37節が28日に行われ、ユヴェントスとミランが対戦した。

 ユヴェントスは虚偽会計や不正なキャピタルゲインなどの疑いにより、勝ち点「10」はく奪処分が正式に決定。来季のチャンピオンズリーグ(CL)出場権を獲得するには残り2戦での連勝は必須で、その上で4位ミランの2連敗を待たなければならない。まずはホーム最終戦となるミラン戦を白星で飾り、奇跡のCL滑り込みに向けた第一歩を踏み出したい。一方のミランは今節を勝利することで来季のCL出場権を獲得することができる。無冠で終わった今季の悔しさを晴らすべく、長らくイタリアの覇権を争ってきた“宿敵”を相手に敵地で勝ち点「3」を奪えるだろうか。

 ユヴェントスはフェデリコ・キエーザ、アドリアン・ラビオ、アンヘル・ディ・マリアらの主力が揃ってスタメンに名を連ねた。アルカディウシュ・ミリクや“新星”のサミュエル・イリング・ジュニオールはベンチから出番を待つ。一方のミランはテオ・エルナンデス、サンドロ・トナーリ、ラファエル・レオンらが先発入り。最前線に入ったオリヴィエ・ジルーは前節のサンプドリア戦でミラン加入後初のハットトリックを達成しており、今節もゴールに期待がかかる。

 この試合最初のチャンスを迎えたのはユヴェントス。13分、ペナルティエリア手前右寄りのスペースでダニーロからのパスを受けたフアン・クアドラードが迷わず右足を振り抜くも、ここはGKマイク・メニャンに阻まれる。およそ10分後の24分には自でのボール奪取からカウンターへ。モイーズ・キーンが強引な突破からペナルティエリア右に侵入し、マイナスのスペースへ折り返すと、最後はディ・マリアが合わせる。左足で狙ったボレーシュートはわずかにタイミングが合わず、枠を捉えることができなかった。

 試合の均衡が破れたのは40分。ミランはコーナーキックが跳ね返されたところから自陣で細かくボールを繋ぐ。中盤でボールを持ったラデ・クルニッチが右へ繋ぐと、敵陣開いた位置でボールを受けたダヴィデ・カラブリアが右足でアーリークロスを供給。このボールに反応したのはジルー。高いジャンプからコースを狙ったヘディングシュートでゴールネットを揺らし、ミランが先手を取ってハーフタイムに突入した。

 後半に入っても試合の様相は変わらない。ユヴェントスにとっては攻めあぐねる時間帯が続くと、ミランは70分に決定機を迎える。ペナルティエリア手前で前を向いたジルーが相手を引き付けて右のスペースへ流すと、走り込んだアレクシス・サレマーカーズがフィニッシュまで持ち込む。しかし、ここはGKヴォイチェフ・シュチェスニーの好セーブに阻まれ、追加点とはならなかった。

 ユヴェントスは73分のイリング・ジュニオール投入以降攻撃にアクセントが加わったものの、それでもミランの強固な守備を崩し切るまでには至らず。試合はこのままタイムアップを迎えた。ユヴェントスは1-4で敗れた前節エンポリ戦に続きセリエAで2連敗に。一方のミランは2連勝を飾り、4位以内のフィッシュを確定させた。

 次節は6月3日に行われ、ユヴェントスは敵地でウディネーゼと、ミランはホームでヴェローナと、それぞれ対戦する。

【スコア】
ユヴェントス 0-1 ミラン

【得点者】
0-1 40分 オリヴィエ・ジルー(ミラン)