タイ国内3大タイトルのひとつであるタイFAカップ決勝が28日に行われ、2年連続の国内3冠に王手をかけていた石井正忠監督が率いるブリーラム・ユナイテッドとバンコク・ユナイテッドが対戦した。
今シーズンのタイリーグはブリーラム・Uが23勝5分け2敗の成績で2位のバンコク・Uに勝ち点12の差をつけて連覇を達成。5月20日に決勝が行われたリーグカップでもBGパトゥム・ユナイテッドを下したブリーラム・Uがタイトルを獲得し、国内3冠に王手をかけていた。一方のバンコク・Uは、決勝がホームのタマサートスタジアムで開催されるという地の利を生かしてタイFAカップ初優勝を狙ってリーグ王者に挑んだ。
試合はバンコク・Uがボールを保持する展開となったが、前半18分にブリーラム・UのFWジョナサン・ボリンギが相手DFの連係ミスをついてボールを奪い、そのままゴールネットを揺らして先制点を奪う。さらに、前半アディショナルタイムにはタイ代表DFティーラトン・ブンマータンのCKに再びボリンギが頭で合わせてブリーラム・Uが追加点を挙げる。後半、バンコク・Uも反撃に出たがゴールは奪えず、2ー0のままブリーラム・Uが勝利してタイFAカップ連覇を果たした。
ブリーラム・Uの石井監督は「最後のFAカップのタイトルも取れたことは喜ばしく思っている。バンコク・Uは質の高いチームなので当然簡単には勝てないと思っていたし、そういう戦いになったと思うが、無失点で終われたのも非常によかったと思う」と試合を振り返った。さらに、「我々は今年、2年連続で3つのタイトルを取ろうという本当に大きな目標を掲げてきたので、それを達成できたことは私自身もそうですし、チーム全体、そしてサポーターの人たちも喜んでくれていると思う」とシーズンを振り返った。
石井監督は昨シーズンの途中にサムットプラカーン・シティ監督を退任してブリーラム・Uの指揮官に就任し、国内3冠を達成。ブリーラム・Uで2年目の指揮となった今シーズンもリーグ戦終盤まで無敗を維持するなど強さを見せ、タイリーグ史上初となる2年連続3冠の偉業を成し遂げた。
文=本多辰成