ルチアーノ・スパレッティ監督

 ナポリを率いるルチアーノ・スパレッティ監督が、2022-23シーズン終了後の退任を明言した。29日、『スカイスポーツ』や『ガゼッタ・デロ・スポルト』など複数のイタリアメディアが伝えている。

 今シーズンのセリエAで圧倒的な強さを見せつけたナポリ。開幕当初から順調に勝ち星を積み上げると、年明けまでリーグ戦無敗を維持。その後も首位を独走し、5試合を残してセリエA制覇を成し遂げた。同クラブにとっては、元アルゼンチン代表の故ディエゴ・マラドーナ氏在籍時以来、33年ぶり3度目のスクデット獲得となった。

 就任2年目のスパレッティ監督は、チャンピオンズリーグ(CL)でもクラブ史上初のベスト8進出を達成。チームを大躍進に導いた。しかし、64歳の指揮官とナポリとの現行契約は今シーズン限りで満了に。一部では、クラブ側が契約延長オプションを行使したとも報じられているが、依然として今シーズン終了後の去就は不透明と見られている。実際に、同クラブのアウレリオ・デ・ラウレンティス会長は、スパレッティ監督の去就に関して「彼は休養のための時間が欲しいと退団を要請してきた。契約はあるが、彼の選択を尊重する」とコメントし、今シーズン終了後の退任を示唆していた。

 そんな中、渦中のスパレッティ監督は現地時間29日にコヴェルチアノで行われたイベントに出席し、自らの去就について言及。1年間の休養が必要であると強調し、ナポリの指揮官を退任する意向を明らかにした。

「時には、愛が強すぎるが故にその場を去ることもある。私はナポリに相応しいものを返すことができるだろうか、この偉大なクラブに応えることができるだろうかと自問した。答えはノーだ。私はそれらを与えることができない。考えは変わらない。私には休養が必要だ。とても疲れている。ナポリや他のクラブを指揮することはないだろう。1年間の休養を取る。トレーニングキャンプや試合、ナポリのすべてを懐かしく思うだろうが、私は戻らない」

 ナポリは現地時間6月4日のセリエA第38節(最終節)でサンプドリアをホームに迎えるが、この試合がスパレッティ監督にとって同クラブでの最後の指揮となる可能性が高い。なお、後任候補としては、アタランタを率いるジャン・ピエロ・ガスペリーニ監督や、フィオレンティーナのヴィンチェンツォ・イタリアーノ監督、さらにはルイス・エンリケ氏やラファエル・ベニテス氏らの名前が挙がっている。