ホセ・ルイス・メンディリバル

 セビージャを率いるホセ・ルイス・メンディリバル監督が、5月31日に行われるヨーロッパリーグ(EL)・決勝ローマ戦に向けて意気込みを示した。30日、スペイン紙『マルカ』が伝えている。

 セビージャの今季は、まさに激動だった。フレン・ロペテギ氏の下でスタートしたが、序盤戦からラ・リーガ残留争いに巻き込まれ、チャンピオンズリーグでも敗退濃厚となった時点で解任。2人目の監督として招聘されたホルヘ・サンパオリ氏でも立て直すことができずに、22年ぶりのセグンダ降格が現実味を帯びていた。それでも、今年4月にメンディリバル監督が就任すると、その後のリーグ戦7試合で5勝1分1敗の好成績を収めて、4試合を残して残留が確定。また、プレーオフステージから勝ち上がったELでは、メンディリバル監督の手腕と、同大会で無類の強さを発揮するクラブの底力が掛け合わさり、準々決勝でマンチェスター・Uを、準決勝でユヴェントスを撃破して決勝戦にまで駒を進めた。

 EL史上最多6度の優勝を誇るセビージャ。これまでにも数々の強豪クラブを退けて栄光を勝ち取ってきた“ELの盟主”を、シーズン途中から指揮するメンディリバル監督は「私が就任したときには、このクラブはヨーロッパリーグのノックアウトステージを2度勝ち上がっていた。歴史はここにあり、それは嘘をつかない。この大会ではセビージャがベストだ。タイトルはすぐそこにある」と強調。続けて「(このクラブに)到着すると、ファンはチーム状況が悪くても、カテゴリーを死守するだけでは満足しない。彼らは『ヨーロッパがある、ブダペスト(決勝の開催地)がある』と言うぐらいにね。我々は非常にタフな相手と戦うことになるけど、自分たちの持ち味を発揮できれば、勝てると確信している」と自信を覗かせている。

 無論、歴史が“全てではない”と付け加えたメンディリバル監督は「歴史や経験も大事だが、これはフットボールの試合だ。どちらの重みが大きかはわからない。私にとっては初めてのファイナル。でも、私の選手やクラブ、そして相手監督さえもそうではない」としつつ、「我々がしなければならないことは、良い試合をすることと、ミスをしないこと。その代償は大きいからね。これまで通り、私たちが見せてきたようなプレーをしよう」と意気込みを語っている。

 今季はどん底から這い上がり、同大会最多7度目の頂点を目指すセビージャ。果たして、ブタペストの地でその“歴史”をより強固なものにするのだろうか。