将棋の第81期名人戦七番勝負は6月1日、渡辺明名人(39)と藤井聡太竜王(王位、叡王、棋王、王将、棋聖、20)が第5局の対局を行っている。渡辺名人のペースで終盤戦に突入したが、わずかに誤算があったか、一転挑戦者が優勢に。藤井竜王が勝利した場合、最年少名人と七冠獲得のダブル快挙達成とあり、今後の最終盤の展開に大注目が集まっている。
【中継】最年少名人なるか 藤井竜王優勢で最終盤へ 渡辺名人粘れるか(生中継中)
藤井竜王がタイトル奪取に“王手”をかけ、カド番に追い込まれた渡辺名人だが、作戦巧者らしい細かな工夫を散りばめて前例を離れて力戦へと展開。名人の作戦に沿った進行で、互いに長考を重ねて攻め合いへと発展していった。渡辺名人は、強く飛車を走ってじわりとリードを拡大。やや苦しそうな表情を見せた藤井竜王は、2枚の角を投入して勝負を決断した。
渡辺名人はいよいよ後手玉の動きを封じるため王手で迫ったが、ここから流れは挑戦者側へ。ABEMAの中継に出演した広瀬章人八段(36)は、「(渡辺名人に)何か誤算があったのではないか。時間の使い方から見ても少し苦しんでいるように見受けられる」とコメントしていた。ABEMAの「SHOGI AI」は挑戦者寄りの数字を表示しており、藤井竜王が優勢に立って最終盤へと向かうことなった。
このまま藤井竜王が勝利した場合、谷川浩司十七世名人(61)が保持する21歳10カ月での最年少記録を更新。さらに、羽生善治九段(52)以来史上2人目となる七冠王が誕生することになる。ダブル快挙達成となるか、再び渡辺名人が流れを引き戻すか。30分の夕食休憩をはさんだこの後の展開から、一瞬たりとも目が離せない。
持ち時間は各9時間の2日制。ABEMAではこの対局を終了まで生放送する。
【夕食休憩時の残り持ち時間】
渡辺明名人 1時間5分(消費7時間55分)
藤井聡太竜王 2時間5分(消費6時間55分)
(ABEMA/将棋チャンネルより)