5月30日にZOZOマリンスタジアムで行われたセ・パ交流戦、千葉ロッテマリーンズ対読売ジャイアンツの一戦で、ロッテ・澤村拓一が登板。同世代の坂本勇人をはじめとする古巣・巨人の野手陣相手に、圧巻の投球を披露し、野球ファンの間で話題となっている。
【映像】ロッテ澤村、坂本勇人も容赦しねえ!あわや死球、内角ギリギリに投げる衝撃の瞬間
2-1、ロッテ1点のリードで迎えたこの試合の8回表、ロッテの2番手で登板した澤村は、この回先頭の9番・門脇誠を“全球ストレート勝負”でショートゴロに打ち取ると、代打・丸佳浩に対しては、丹念に外角を突く配球に。最後はキレの良いスプリットで空振り三振に切ってとった。そして、“同学年対決”となった2番・坂本に対しては、初球、外角高め153km/hのストレートで見逃しを誘うと、続く2球目は147km/hは外角低めのスプリットを打たせてファウルに。いきなりカウント0-2に追い込んだが、3球目は152km/hのストレートが外角低めに外れて1-2に。そして、ウイニングショットの4球目は内角低めへと沈み込むスプリットで仕留めにかかったものの、これを坂本は上手く拾ってファウルに。5球目はやや力んだのか、4球目と同様、内角低めを狙ったスプリットがワンバウンドとなり、カウント2-2に。かつて同じチームでプレーした同学年同士の澤村と坂本。お互いの手の内は知り尽くしているだけに、一歩も譲らぬ場面となった。
ここで気持ちをリセットしたかったのか、澤村はグラブを高く掲げてセットポジションをとると、並行カウントからの6球目、今度は外角低めへと逃げるスライダー。しかしこれもワンバウンドしたことで、カウント3-2。澤村からすれば、本来ウイニングショットとなるはずだった4球目のスプリット、坂本が思いのほか、良い形でファウルにしたこともあってか、スプリットは投じづらい雰囲気を感じるところ。ましてや、その前に投じた2球目のスプリットも、坂本は打ち損じこそすれ、決して悪い形ではなかった。そんな場面で投じることとなった7球目、澤村が選んだのは内角やや高めのストレート。しかしこれを坂本は、カットするのではなく、「捉える」形でフルスイング。澤村の球威もあって、ファウルにはなったものの、まさに力と力の対決の様相を呈した形となった。
そして、同じくフルカウントからの8球目、澤村が投じたのは7球目と同様に、内角を突く154km/hのストレート。この1球は、はからずも内角に外れ、マウンド上の澤村は悔しそうな表情を見せた。結局、坂本は四球となったが、最後まで両者一歩も譲らぬ、まさに意地と意地がぶつかりあうような、そんな気迫に包まれた好勝負を披露することとなった。
澤村は2020年の9月に巨人からロッテへと移籍し、その後、MLBでプレーしていたことから、今回が初の巨人戦での登板となったが、6月2日放送の『バズ!パ・リーグ』(ABEMA)では、そうした点などを踏まえつつ、この白熱した対戦を紹介。
ネット上の野球ファンからは「ファンが観たいのは、こういう熱い真剣勝負なのよ。これぞプロ野球!」「どこに行っても俺は澤村が好きだ」「このマッチアップは本当にアツかった」「若い選手達が手が出なかった澤村のスプリットを、唯一見切って四球にしたのが同学年で昔からよく知る坂本ってのがなんかアツいな。」「門脇丸秋広を完璧に抑えるのも、坂本だけ出塁させてしまうのも、この回エモすぎました 澤村が本当にカッコよかった」「この88年生対決は険しい道を歩いてきた澤村の貫禄が凄すぎる。」「ロッテファンでもましてや巨人ファンでもないのに澤村が古巣相手に投げてるのを見て心が熱くなるのは何でなんだろうな」といった称賛の声を中心に、様々な反響が寄せられている。
(ABEMA『バズ!パ・リーグ』)