ガードの上から間髪入れず降り注ぐ“左ハイ3連発”にガックリ膝をついて撃沈。衝撃の左ハイKOに解説を務めた魔裟斗も「軌道が途中で変わり伸びてくる」「ガードの上から3連続」と驚嘆した。
6月3日に横浜武道館で開催された「K-1 WORLD GP 2023~初代ミドル級王座決定トーナメント~」。ダニロ・ザノリニ(ブラジリアンタイ)とハッサン・トイ(Team Toy/トルコ)の試合は、1ラウンド1分35秒、ハッサンがハイキック3連発でダニロを完膚なきKO。わずか95秒の相手に何もさせない圧倒的な強さを見せた。
初代ミドル級王座決定トーナメント一回戦。K-1に憧れ来日、複数の団体で王者となったダニロだが、その後K-1 MAXなどに参戦するも旧K-1が消滅。昨年新生K-1への参戦を果たし42歳にしてK-1王者へのチャンスが舞い込んだ。対戦相手のハッサンは元欧州王者や中国の武林風などを経て2019年にK-1初参戦。野杁正明に敗れたが怪物・野杁に「また観たい選手」と言わしめた。
ゴングとともに速いハイキック、顔面に到達するヒザと全てが鋭いハッサン。フレームの差も歴然。「身長差がヤバい」「足の長さが違いすぎる」という声も聞かれた序盤。近い距離に入ると強烈な左右の前蹴り、加えて同じモーションで飛ぶハイなど蹴りも多彩でダニロは攻撃の間合いに入ることができない。
そんな展開にABEMAゲスト解説の魔裟斗は「(ハッサンは)蹴りの軌道が途中で変わるんです。思ったより伸びてくるのでダニロは貰わないと思っても貰ってしまう」とハッサンの独特の距離から繰り出される蹴りについて解説した。
ダニロもローキックを攻撃の軸に変え反撃を試みるが、ハッサンは下に意識が行くと上から振り下ろす左右のストレート。さらに右クロスから左ジャブで追撃して最初のダウンを奪う。
なんとか立ち上がったダニロだが脳が揺れダメージは大きい。再開後ハッサンはプレッシャーをかけ左ハイ、左ハイ、左ハイを3連発。全て側頭部を捉えるとダニロはぐったりと座り込んで試合終了となった。
魔裟斗は「今のハイキック、ガードの上からですよ…3発連続。第1試合でウォーミングアップが終わったぞという感じでした」と述べ、ほとんど相手に何もさせない驚異的な勝ちっぷりを賞賛していた。