今、続々と“未来予測本”が出版され、人気を集めている。ビジネスや経済、テクノロジーといった分野で、今後世界はどのように変わっていくのか。
【映像】小泉純一郎氏、麻生太郎氏、安倍晋三氏が“失われた30年”で「やったこと」(画像あり)
バブル崩壊以降、日本の経済は一気に冷え込んだ。世界時価総額ランキングでは日本の企業が消え、一人当たりGDPも右肩下がりで21位に。給料はずっと横ばい状態だ。
なぜこんなに変わってしまったのか。ニュース番組「ABEMA Prime」に出演した、第一生命経済研究所・首席エコノミストの永濱利廣氏は「一番の要因はバブル崩壊以降のマクロ経済政策を誤ったことだ」と指摘する。
「財政政策が不十分だった。結局デフレになって、今の状況になっている。実はこれは世界の経済論壇の中でコンセンサスができている。バブルが崩壊したら、すぐに金融財政政策で経済を支えなきゃいけなかったのに、かなり後手に回ってしまった。不況になった時、どのような政策をやったらいいかが重要だ」
1989年には世界の時価総額ランキングのトップ5を日本が独占していた。しかし、2023年にはトップ5おろか、トップ50にも入っていない。“失われた30年”を取り戻すには、どうしたらいいのか。
永濱氏は「どこにも成功事例はない。非常に大変なことだ。少なくとも国内で仕事をしてお金を稼いで、経済活動することだけを考えれば、今の日本は相当厳しい」と述べる。
「失われた30年を5年で取り戻す」をビジョンに掲げるコンサルティング会社「AKKODiS」取締役の北原秀文氏も「相当厳しいのは明らか」とした上で「アメリカでは、今はもうIT業界がメインだ。一方で、日本はいまだに金融や製造業がメインで、主体の産業がまったく移行していない。進化がないことがやはり問題だと思う」とコメント。
また、北原氏は“失われた30年”を5年で取り戻すには「誰かがコミットして“旗振り”をしなくてはいけない」と話す。
「日本には“課題先進国”という汚名が付いている。それを“課題解決先進国”に変えていきたい。日本人はなんとなく過ごせてしまうから『そのままでいい』みたいな雰囲気がある。僕はそれがすごくまずいと思っている。まずは僕らが旗をあげてやっていきたい」
ネット掲示板「2ちゃんねる」創設者のひろゆき氏は「日本は、ITの波に乗れなかった」と話す。
「日本は高齢者が権限を持ちすぎている。要は80歳の人に『デジタルに投資をしよう』と言っても分からない。昔の日本は家督を譲る文化があったが、今の大企業は80歳の人が権限を持ち続けている。アメリカの会社は自社内にIT部門を作って、自社で物を作る。でも、日本の大企業はSIerに頼んじゃう。本来はプログラマーを雇って自社内でITに投資すべき。そうならないのは、最終的には年を取っている人が代表権を持ち続けているからだ。Winny問題などもあるが、経済が伸びなかった理由は会社の代表システムだ。人口がどんどん減る国は経済規模も減っていくから、投資をしなくなる」
東京には多くの人が地方から集まってくるが、出生率は年々低下し続けている。ひろゆき氏は「残念ながら、先進国の中で女性が働き始めた国は少子化になる。これは事実だ。女性が働いてキャリアを求めたら『家庭を持ちたくない』『子育てしたくない』となる。良いか悪いかは別だが、30年前に戻るのであれば、女性は家庭を守り、子どもを作る。男性は50歳超えたら引退する。こうすれば、まだITやバイオなど新しい技術にお金が投資されるが、それができない」と持論を語った。
ジャーナリストの堀潤氏は「報道のアップデートができなかった」とコメント。「Winny事件も報道がかえって、開発者を追い込んでしまった。新しいものを伝えきれなかったことが、大きな問題だったのではないか」と述べた。(「ABEMA Prime」より)
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