「性的搾取ではないか」埼玉県営プールの撮影会中止、なぜ注目? 若新雄純「ルールに則っていた団体も即中止はおかしい」
【映像】撮影会中止 県営プール管理する協会側の対応
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 8日、埼玉県の県営プールでの水着撮影会をめぐって「性的搾取ではないか」などの理由から6団体に中止要請が出た。このニュースについて『ABEMAヒルズ』に出演した慶応義塾大学特任准教授の若新雄純氏が考えを述べた。

【映像】撮影会中止 県営プール管理する協会側の対応

 埼玉県の県営プールを管理する県公園緑地協会が、「しらこばと水上公園」と「川越水上公園」で10日から25日に開催予定だった6つの水着撮影会について、主催者6団体に中止要請を出した。その理由は、県民から「18歳未満の女の子が出演しているのではないか」「過激なポーズしているのではないか」などの指摘があったからだという。

 今年度から、しらこばと水上公園では“過激なポーズの禁止”や“布面積の小さな水着の禁止”などが使用許可の条件に盛り込まれていた。その後、6団体のうち2団体でこの使用条件に違反していることが判明。違反したのは2団体だったものの、協会側は6団体一律で中止を要請した。

 この対応について、埼玉県の大野元裕知事は「違反のなかった4団体については中止要請を撤回すべきだという旨の指導をしている」とのこと。しかし、イベント自体が近々だったこともあり、仮に違反のない4団体に使用許可が降りたとしても行えるかは難しい判断になるとされている。このニュースについては、SNS上でも「開催すべき」「開催すべきではない」など様々な意見が寄せられ、注目を集めている。

 協会側の中止要請について、若新氏は「知事の指導は適切だったと思う」として考えを述べる。

「性的搾取ではないか」埼玉県営プールの撮影会中止、なぜ注目? 若新雄純「ルールに則っていた団体も即中止はおかしい」
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「物事をふわっとさせた状態ではまずいから、ルールを決めてそれに基づいた運用をしているはずだ。ルールに則っていた4団体も中止にするというのはおかしな話だ。たとえ4団体を中止にしなかったとしても、社会的に議論は起きたと思う。

 日本の社会は議論の状態を継続することが下手だ。議論が起きると賛否両論があるだろう。議論が続けば問い合わせも増えるのは当然の話だ。それなのに、賛否両論の“否”を受けるのが嫌だから『一律中止にする』という判断は、日本がこうした議論に耐えられない、“議論をする体力がない社会”だということではないか」

 続けて、若新氏は「埼玉のプールだけが中止したところで、性的な商品やコンテンツは社会にいくらでもある」とし、次のような指摘をした。

「雑誌の表紙に19歳のタレントがいたり、18歳がアダルトビデオに出ることも“社会としてあり”としているのに、『うちの町では面倒くさいことにならないように止めておこう』というのは議論の機会を潰してしまうだけだ。それでは『性的搾取ではないか』『表現の自由を奪っているのではないか』などの意見も無くならないだろう。

 だからこそ、明確なルール違反をしていない4団体も中止したという対応には物を申したい女性も多くいたのではないか。普段グラビアを仕事にしている人たちの『私たちは別に性的搾取されていないぞ。ルールを守っているのになぜ中止なんだ』という意見も無視できない声のはずだ。議論の機会を潰してはいけない」

(『ABEMAヒルズ』より)

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