3ラウンド、フルスイングで殴りあう壮絶な打撃戦。しかし、万策尽きたか…必死すぎる攻防の中で突如飛び出した“クワガタ”フックなるダブルパンチやラリアット…珍ワザ続出に視聴者から「両者勝ちでもいい試合」「勝敗を超えてる」と絶賛の声が殺到した。
6月16日にタイ・バンコクで開催されたONE Championship「ONE Friday Fights 21」。ダブダム・ポー・トー・トー・トンタウィー(タイ)とチャビエル・ゴンザレス(スペイン)の対決は”Friday Fights”シリーズ屈指の死闘となった。3ラウンドフルラウント、フルタイム一切手抜きなしの殴り合いの末、試合はダブダムが勝利。全力ファイトに勝者・敗者両方にファイティングボーナスが支給された。
ムエタイ留学のためにアルバイトで貯金した経験から、戦う前は「もう一度ウェイターになりたくなかったら戦え」と自らにゲキを飛ばすというエビソードも紹介された苦労人ゴンザレスと、ONE初登場の地元タイのダブダムの対戦。
ゴングと共に両者一歩も譲らない渾身の削り合いがスタート。1ラウンド3分間手抜きなしのフルスウィングの戦いはラウンド終了間際、ゴンザレスが飛び蹴りからボディでダブダムをグラつかせ、見せ場を作る。
2ラウンドさらに危険度を増す両者の攻防。ガードしたままヒジを振り回すダブダムにゴンザレスもヒジ、飛びヒザ。混戦のなかでダブダムが組みに見せかけて身体を浴びせる。上からダブダムがパンチを振ると、ゴンザレスが下から突き上げアッパー。
壮絶な死闘にABEMAゲスト解説・中田大貴は「ボクシングの距離でヒジありの状況」と表現。足を止めて両者殴り合う我慢比べ状態に視聴者からは「潰し合いだ」「良く耐えてる」「滅多に観れない試合」など驚きの声が多数あがる。
3ラウンド、なかなか倒れない相手に万策尽きたか。ダブダムが飛び込みながら両手でパンチの珍ワザに「モンゴリアン・パンチ!」という声も。両手で挟み込んでの全力パンチの奇襲にゴンザレスが前のめりでグラつく。その後もダブダムは浴びせるようなラリアット、ゴンザレスはボディとアッパーを打ち続けるなど、見せ場の連続。しかし、両者決着は判定に委ねられた。試合直後「両者勝ちでもいい試合」「勝敗を超えてる」「フライデーナイツ最高の試合」と視聴者から興奮と称賛の声が相次いで寄せられた。
リプレー映像で実況陣も「気になっていた」というダブダムの両手パンチに言及。そこで驚愕の事実が…飛び込んで挟み込むようにダブルパンチ。と同時にヒザも叩き込むトリプル攻撃。ゲスト解説の中田が「こんなの見たことない…新技ジャンピング・クワガタフックですね」と苦笑いを浮かべ、実況も「こめかみ両方行った」と応じた。
判定はダブダムの勝利。勝利者インタビューでは死闘を繰り広げた勝者ダブダムにおよそ140万円のファイティングボーナスが支給された。一方、敗れたゴンザレスは「負けて失望しているが負けは負け、相手を称えたい」とスポーツマンシップを見せると、異例の敗者インタビュー直後に同じくファイティングボーナスおよそ140万円のコール。地元タイのファンから拍手喝采が送られた。