【キリンチャレンジカップ2023】日本4-1ペルー(6月20日/パナソニックスタジアム吹田)
ファウルまがいのプレーにも屈せず、爆発的なスピードを武器に日本代表の右サイドで輝きを放った伊東純也。左サイドの三笘薫とともに、欠かせない日本の武器であることを証明したペルー戦だった。
試合開始から伊東のエンジンは全開だった。「南米のチームなので、球際では絶対に負けないように思っていた」。その言葉通り4分には、ファウルまがいの激しいチャージに加え、ユニフォームを掴んで突破を阻もうとする相手のプレーに屈することなく、伊東らしい力強さとスピードを活かした突破でスタジアムを沸かせた。
その後もワイドに開きながら、突破力を活かして右サイドを制圧。13分には、「GKとDFの間に速いボールを入れるよ」と、戦前の打ち合わせ通りに古橋亨梧へピンポイントクロスを配給。ゴールとはならなかったが「亨梧と何回か良いシーンをつくれた」と手応えがあった。
迎えた63分、遠藤航、前田大然、鎌田大地と繋いで最後は左サイドの三笘薫からのプレゼントパスを受けた伊東が、キックフェイントでGKをかわしてゴールに流し込んだ。
通算10得点目のメモリアルゴールを振り返った伊東は「良い形で中盤で奪えて、薫が前に行った時に、相手の前にスプリントして、良いボールが来たので決めるだけだった」と謙遜するが、しっかりとゴール前にスプリントする伊東の動きがあったからこそ。自身のストロングポイントを存分に発揮したペルー戦だった。
今年で30歳を迎えた伊東だが力強さや切れ味はより一層凄みを増している。「30歳になったので常に結果を出さないと『年寄りだ』となって呼ばれなくなる。常に結果を出せるように頑張りたい」と意気込んだ。
文・川嶋正隆(C)浦正弘(ABEMA/キリンチャレンジカップ2023)