【キリンチャレンジカップ2023】日本4-1ペルー(6月20日/パナソニックスタジアム吹田)
6月シリーズは三笘薫のためのものだった。15日のエルサルバドル戦は、45分だけのプレーで3つのゴールに関与。20日に行われたペルー戦では1ゴール1アシストを記録するなど、2試合で5ゴールを生み出した。プレミアリーグ終盤でゴールから遠ざかっていたアタッカーが、なぜこのような結果を残せたのだろうか。
【映像】三笘薫、7ゴール目!必殺カットインからの右足で強豪ペルー相手に追加点!
プレミアリーグで日本人1シーズン最多となる7ゴールを挙げて評価を高めた三笘。しかし4月1日のブレントフォード戦を最後に、12試合ノーゴールでフィニッシュ。輝かしい成績を残した一方で、終盤戦はチャンスを迎えながらも決めきれなもどかしい時期を過ごしていた。
「クラブの最後の方では、結果を出せなかった。しっかりとぶつけるじゃないですけど、その気持ちはもって挑みました」と気合を入れて臨んだ6月シリーズでは、これまでの鬱憤を晴らす圧倒的なパフォーマンスを見せる。
エルサルバドル戦では前半に生まれた4ゴールのうち、3つのゴールに関与。ペルー戦では37分に得意のカットインから右足を振り抜くと、「運が良かった」と振り返るシュートは相手に当たりながらネットを揺らした。63分には「股が開くかなってところで狙い通り」と自画自賛するアシストから、伊東純也のゴールをお膳立て。1ゴール1アシストの活躍で日本を勝利に導いた。
三笘は「メンタル的なところが強ければ強いほど結果が出ている。そういうハングリー精神を常に持てれば」とコメント。クラブチームでの失速があったからこそ、この代表戦にかける思いは強かったようだ。
1分1敗でスタートした新生・森保ジャパンだったが、この6月シリーズで内容も伴った2連勝を飾った。ここで代表活動は中断に入り、9月にはFIFA ワールドカップ カタール 2023で対戦したドイツとのアウェイゲームが予定されている。
「ボールを持たれる形が増えると思うので、今回の活動とは全く違う形になる」と予想する三笘だが「ワールドカップよりも僕たちはもっとボールを持てるようにしたい」とコメント。この2連戦で見せたような、積極的に主導権を握る戦い方を望む。そのためにも「まずはクラブの活動が第一なんでそこはしっかり結果を出すことが必要」とプレミアリーグでのさらなる成長を誓った。
文・川嶋正隆(C)浦正弘(ABEMA/キリンチャレンジカップ2023)