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 2023年7月1日から23日まで、スペイン北東部およびフランス各地を舞台に繰り広げられるツール・ド・フランス第110回大会。190以上の国と地域で放送され、なおかつフランスのバカンスシーズンと時期が被ることから観客も1200万人以上が押し寄せるという、世界最高峰の自転車ロードレース大会として知られています。

【中継&ハイライト】ツール・ド・フランス
【中継&ハイライト】ツール・ド・フランス

 しかし、日本では自転車ロードレースそのものにあまり馴染みがないこともあって、名前は聞いたことがあるが見たことはないとか、見たことはあるがルールには詳しくないといった人も多いはず。そこでこの記事では、ツール・ド・フランスの概要について知っておきたいポイントを分かりやすくまとめていきます。

目次

  • ツール・ド・フランスとは?
  • ツール・ド・フランスのルールと賞金は?
  • 2023年のコースと距離は?
  • まとめ

ツール・ド・フランスとは?

 ツール・ド・フランスとは、毎年7月に約3週間をかけて行われる世界最大規模の自転車プロ競技大会。一般道を走るロードレースの大会で、イタリアで行われるジロ・デ・イタリア、スペイン各地を回るブエルタ・ア・エスパーニャと並んで、ヨーロッパを代表する自転車プロロードレース3大大会(グランツール)の1つに数えられています。また、FIFAワールドカップやオリンピックと並ぶ世界3大スポーツイベントの1つとも称されています。

 そんなツール・ド・フランスは、1903年に第1回が行われ、2度の世界大戦による中断を挟みながらも2023年で110回目を迎える歴史ある大会。マラソンのような個人競技ではなく、プロ選手8名からなるチームが競い合う団体競技で、チーム最強の選手であるエースを勝たせるために残りの選手が風よけなどのアシスト役を務めます。一番速い選手が勝つという単純なものではなく、チームワークや戦術が勝敗を左右しますので、その奥深さも見どころの1つでしょう。

 ちなみに、2023年大会に出場するのは全22チーム。その中の1つであるバーレーン・ヴィクトリアスには、ツール・ド・フランスに7回出場してすべて完走、2012年と2016年には区間敢闘賞を獲得している日本人・新城幸也(あらしろ ゆきや)選手がいます。38歳のベテランである同選手は、残念ながらスタートリスト(スタート時点でのメンバー表)には入っていません。しかし、2023年5月のジロ・デ・イタリア開幕2日前に出場が急遽決まった実績もありますので、2023年大会の出場にも期待したいですね。

【中継&ハイライト】ツール・ド・フランス
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ツール・ド・フランスのルールと賞金は?

 ツール・ド・フランスの日程は23日間で、うち2日は休養日。各日のレースをステージと呼び、各選手はステージごとに順位やタイムを計測してその日の優勝者を決めたり、各ステージの山岳地点(峠の頂上に置かれる)やスプリント地点(平坦部に設置される)の通過順位に応じて与えられるポイントを競ったりしながら、全21ステージを戦い抜きます。

 また、毎年1日だけ個人タイムトライアルステージが設けられていて、この日は参加選手の中で最速のフィニッシュタイムを記録した選手がステージ優勝を手にすることに。このようにしてレースを進めながら、全ステージを終えた時点で合計タイムが最も少なかった選手が総合優勝となるわけです。また、各ステージには制限時間があり、ステージ優勝者からあまりにも遅れすぎるとタイムオーバーでリタイアになってしまいます。

 なお、各ステージには6つの賞が用意されていて、これらの賞を獲得すると特別なジャージやゼッケンが与えられ、翌日のステージでそのジャージやゼッケンを着用できるという決まりもあります。それらの賞とジャージ・ゼッケンについては以下の通りです。

■マイヨ・ジョーヌ(個人総合時間賞)
 各ステージの所要時間を加算し、合計タイムが最少の選手に個人総合成績1位として与えられる賞。ジャージの色は黄色で王者の証となっており、最終ステージ終了時点で着用権利を持つ選手が総合優勝者となります。

■マイヨ・ヴェール(ポイント賞)
 各ステージのゴール、およびステージ途中のスプリント地点の通過順位に応じて加算されるポイントが1位の選手に与えられる賞。ジャージの色は緑。

■マイヨ・ブラン・ア・ポワ・ルージュ(山岳賞)
 各ステージの山岳地点の通過順位に応じて加算される山岳ポイントが1位の選手に与えられる賞。ジャージの色は白地に赤の水玉。

■マイヨ・ブラン(新人賞)
 開催年に25歳以下の誕生日を迎える選手の中で、総合成績が最も上位の選手に与えられる賞。新人賞と訳されることが多いのですが、制限年齢以下なら何度でも受賞できるため、ニュアンス的には最優秀若手賞と言った感じでしょうか。ジャージの色は白。

■ドサール・ルージュ(敢闘賞)
 タイムトライアルと最終ステージを除く各ステージで、特に果敢に動いたと認められた選手に与えられる賞。タイムや順位ではなく審査員の主観によって選ばれる賞で、ゼッケンの色は赤の地に白抜き数字。日本人選手が唯一獲得したことのある賞でもあります。

■ドサール・ジョーヌ(チーム総合時間賞)
 各チームの各ステージ上位3選手のタイム合計が、最も少なかったチームに与えられる賞。リタイアなどでチームが3人未満になると受賞資格がなくなります。ゼッケンの色は黄色の地に黒数字。

 総合優勝者はもちろん、これらの賞を獲得した選手にも賞金が与えられるのですが、その賞金総額は驚くほど安く、200万~250万ユーロ(約3億~4億円)程度と言われています。これは、レースが行われるのが一般道であるため、観客が無料で観戦できるからだと思われます。入場料収入がなく、放映権収入でどうにか運営費をまかなっているようですので、賞金が安くなるのは仕方がないのかもしれませんね。

2023年のコースと距離は?

 ツール・ド・フランス2023年大会のコースはすでに発表されていて、スタート地点はスペイン北東部・バスク地方の都市ビルバオ、ゴールは例年通りフランスの首都・パリ。「フランス一周」を意味するレース名の通り、フランス各地を走り回るわけですが、その総距離は約3400キロと例年並みです。しかし、開催委員長が「史上最も山の多い大会」と発言したことからもわかるように、ピレネー山脈、中央高地、ジュラ山脈、アルプス山脈、ヴォージュ山脈と、フランスの山地をすべて走行する過酷なコースとなっています。

 ステージごとの地形は平坦ステージが8、丘陵ステージが4、山岳ステージが8(うち山頂がゴールのステージが4)で、さらには個人タイムトライアルのステージも山岳地帯。コース上の最高標高地点は2304mで、北海道の大雪山(旭岳)山頂よりやや高いくらいと言えば、その厳しさがお分かりいただけるでしょうか。ちなみに、コースの中にはユネスコ世界遺産に登録され、普段は自転車侵入禁止の山も入っています。

 こんなコースになった理由はスペクタクルを重視したからだそうで、初日にはいきなりコースに5つの山が組み込まれ、最終日前日の第20ステージにも6つの山をコースに詰め込むなど、2023年大会は大どんでん返しが起こりそうな難関に仕立てられています。ツール・ド・フランス史上屈指の山岳戦が展開されるのは間違いなさそうですので、ファンは最後の最後までしっかり楽しみましょう!

まとめ

 以上、ツール・ド・フランスの概要やルール、2023年大会のコースや距離、見どころなどを分かりやすくまとめました。世界トップレベルのロードレーサーたちが、栄光のマイヨ・ジョーヌを巡って熾烈な戦いを繰り広げる、世界で最も過酷な3週間の大型レースが今年も幕を開けようとしています。2023年大会は第1・2ステージがABEMAで無料生中継されることもあって、近年では一番観戦しやすくなっていますので、この機会に世界最高峰の自転車ロードレース大会を視聴してみてはいかがでしょうか?

(C)AbemaTV,Inc.

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