相次ぐ入札不成立、入場料は近年より高額 2025年大阪万博の機運どう高める? 『行きたい』4割に松井一郎氏「悲観する数字ではない」
【映像】UCCにKFC 1970年の「大阪万博」が残したモノ
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 2年後に迫った大阪・関西万博を前に、20日、大阪府の吉村知事が支援を求め永田町を訪れた。そんな中、報じられたのは、万博のパビリオン「日本館」での建設工事の入札不成立。予定価格内で応札がなく、建設費が膨らむ可能性が浮上した。また、日本国際博覧会協会が最終調整した入場料は大人7500円。近年の万博の入場料と比べるとかなり高額だ。

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 4月のアンケート調査によると、「来場したい」という人の割合は4割。Twitterでは「入場料も高いし、アクセスも悪くて微妙」「建設費が膨らみすぎ、本当に成功するのかな…」「高くても貴重な機会だし行ってみたい」などさまざまな声があがっている。

 『ABEMA Prime』では、2018年当時、大阪府知事として万博を誘致、開催の旗振り役を務めてきた松井一郎氏を招き、万博の課題と成功を考えた。

■「行きたい」4割に松井氏「悲観する数字ではない」

 2025大阪・関西万博の注目ポイントは、ついに実現なるかという「空飛ぶクルマ」、「大阪ヘルスケアパビリオン」、万博として初となる「ペット同伴入場」の検討など。

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 松井氏は「1970年の大阪万博は“国威発揚型”で、モノを展示した。今回は世界の課題を解決する、そして参加してもらう万博を目指している」と説明。肝いりは、大阪府と市が連携して出展する「大阪ヘルスケアパビリオン」だ。

「僕は“大阪健康館”と呼んでいる。大阪は今、日本の中でも再生医療、iPS細胞を使った分野の治療も始まっているし、専門家が集結している。京大で研究されていた山中先生は大阪にお住まいだし、阪大にいた澤先生は大阪警察病院の院長になって、心筋シートの治療がスタートしている。神戸の理研では、難病の目の治療を再生医療でやっている。こういうものを万博に向けてさらに進化させていくことで、人生100年時代を迎えても最後まで自立して寿命を迎えられる。こういうものを作り上げていきたいというのが、僕の万博の一番のテーマだ」

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 一方、大阪万博開催に“心配派”の立場をとる作家でジャーナリストの山田順氏は「非常に良いテーマだと思うが、再生医療に偏っていて、他にもいろいろなものがないと万博ではないというのが一つ。それから、日本はデジタルなどいろいろな分野でも遅れているが、その辺をどう考えているのか、どういう企業が参画していくかなどがまだ見えない。万博まで2年を切っているのに、『行きたい』という人が4割しかいないのは由々しき事態だと思う」と投げかける。

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 2022年度の調査で、来場意向は「全体」が51.9%から41.2%に、「府内」が58.1%から46.3%に減少している。松井氏は「まだ見えない中で、日本全体の4割に『行きたい』と言っていただいているのは、悲観する数字ではないと思っている。これから少しずつ上がってくると思うし、世界も相手にしているので」との見方を示した。

■入場料「大人7500円」は妥当?高い? 

 相次ぐ入札不成立について、松井氏は「協会側、それから大阪市が予算を厳しめに見積もっている。他のパビリオンでも、プロデューサー間で不成立になっているところがいくつかあるが、設計変更、VE案を作って、その予算に合わせて建設コストを抑えていき、順番に成立していっているところだ。厳しくやっているから、大催事場の成立は3回目になった」と説明。

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 東京五輪で起きた、スポンサー選定をめぐる贈収賄や、テスト大会事業をめぐる入札談合などの問題を教訓にしているという。「協会の理事であっても、例えば誰とどこでどんな話をしたかすべて議事録を残して、公開もできる。大阪府の職員もそういう事業者とは外で会わない。五輪であれだけの不祥事があったのに、万博もとなったら国民の信頼を失うので、むちゃくちゃ厳しいルールの中でやっている」。

 万博協会・理事会で、入場料の最終案がまとまった。1日券の基本料金は、大人が7500円、12~17歳が4200円、4~11歳が1800円。ドバイ万博(2021~2022年)の約3000円、愛・地球博(2005年)の4600円と比べると高いのか? 妥当なのか?

 ジャーナリストの堀潤氏は「世界が分断の真っただ中で、ウクライナの戦争もいつ終わるかわからない。そんな中、大阪万博で意見やイデオロギー、宗教も何もかも違う人たちが集まって、“ここでもう一回、世界協治やるんだ”という気運ができたら、これは最大の成果だと思う。7500円払って、“世界が壊れそうだったけど、あの時の大阪万博でちょっとよくなったよね”となればすごく大きい」との考えを述べる。

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 山田氏は「ラスベガスの家電ショーに行けば新しいIT機器は見られるし、上海のモーターショーなら新しい電気自動車が全部見られるし、先端技術の祭典は世界中にある。その中で、“万博でしか見られない”ものは何か。そして、やはり人間は人間に興味があるので、例えばレディ・ガガが来るとか、イーロン・マスクが来て講演するとか、そういうこともやらないと、2800万人が本当に集まるのかなと思う」と疑問を口にした。

 松井氏は「そういう催事については、協会で今いろいろとアイディアを出している」とした上で、「アメリカ館は宇宙を見せると言ってくれている。昔は並んで一瞬だけ通り過ぎた『月の石』が、ドバイ万博では触れるようになっていた。その時、アメリカ館のトップに『大阪万博にこの月の石を必ず持って来てほしい』と頼んだら、『持っていく』と。そういうのも含め、各国のパビリオンにあちらこちらに目玉がある」と述べた。(『ABEMA Prime』より)

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