「みんなそういうところがあるよ」周囲の“励まし”がカミングアウトの障壁に 「言葉でうまく伝えられない人たち」が心の中で求めていること
【映像】発達障害の20代女性が聞きたくない“励まし”とは?

 今、Twitter上では、あることに苦しんでいると訴える人たちがいる。「会話で相手にうまく説明できずいつも歯がゆい思いをしている」「頭の中ではいろいろ思っていても言語化し言葉で発することができない」。言葉で人にうまく伝えられず、緊迫した場面では、より困難になることもあるという。

【映像】発達障害の20代女性が聞きたくない“励まし”とは?

ABEMA Prime』では当事者の女性を交え、その思いを聞き、接し方・配慮について考えた。

■カミングアウトした際の“励まし”が障壁に

 発達障害があり自分の思いや意見の言語化が苦手なまめみさん(20代)は「日常生活でも、伝えたいことをスムーズにしゃべれなくて時間がかかる。病院でも普段困っていることなどをうまく伝えられず、後から『あれも言えなかった』と落ち込むことが多い。また、話が長くなると最後まで集中して聞けなかったり、何を聞かれているのか理解できず、的を射た返事ができないことがある」と話す。

 仕事の中でどんなことに困難を感じるか。「相談をしたい時に頭の中で考えていることを順序立てて伝えられないことだ」と答えた。職場の同僚や医師に自分の考えを伝えるため、ノートに伝えたいこと・聞きたいことを事前にまとめているという。

 まめみさんは自身の症状を職場や周りの人には伝えていないそうだ。その理由を「伝えることでこちらが求める言葉をかけてくれるならいいが、そうとも限らない。『そんなふうに見えないよ』とか『みんなそういうところがあるよ』などと励ましてくれたり、『障害のせいじゃないんじゃない?』なんて言われたりすると嫌なので、なかなか伝えられない」と語った。

■「ゆっくり、丁寧に」が有難い

 まめみさんは“ありがたい”と感じる配慮として「話の内容がうまく伝わっていない時は『これはこういうこと?』と確認してくれること」「急かさないで話を聞いてくれること」を挙げ、「なかなか見えない障害なので理解してもらえないけど、多くの人に『こういう人もいる』と知ってもらいたい」と訴えた。

 自分の思いや意見をうまく表現できない人にどのような配慮ができるのか。20年以上にわたり知的障害者や発達障害者の弁護・救済に取り組む弁護士の辻川圭乃氏は「ゆっくりと丁寧に、相手がどんな思いでいるのか、こちらの話を理解しているのか、確認しながら進めることが必要だ。ただし、どこに困りごとがあるのかは人によって違う。できれば、合理的配慮として、ご本人の特性をよく理解している人がコミュニケーション支援者、通訳のような形でつくことが必要なのではないか」と考えを示す。

 さらに「障害に関係なく、『こんな場面が苦手』という人は、家族や友人、福祉関係者、医療関係者など、自分の身近な人で力になってくれる味方を作れたらいいと思う。どんな配慮が必要かは人それぞれだ。それを言えるような社会になってほしい」と述べた。

(『ABEMA Prime』より)

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