仕事をしていて、得意げにビジネス用語を使う同僚や上司に少しいら立ったことはないだろうか。実は、その感情は世界共通なのだ。
ビジネス用語の使用について、世界8カ国の社会人8227人を対象に調査が行われた。「同僚が職場でビジネス用語を多用している」と答えた人は58%。1位のインドで78%、日本は7位で40%だった。
調査では様々な意見があり、「できれば職場でビジネス用語の使用をなくしたい、減らしたい」に、46%の社会人が同意。また、「ビジネス用語の誤解が追加の会議、メール修正といった形で無駄な時間につながる」には、日本の社会人の70%が同意しているという。
他にも、「会話から取り残されている」「生産性を低下させている」と感じている人もいるようだ。
では、日本にはどのようなビジネス用語があるのか。
■日本の社会人が最も混乱したビジネス用語
1.バジェット…予算や経費
2.ASAP…できるだけ早く(As Soon As Possible)
3.アジェンダ…プラン・計画
4.アサイン…役割や業務を割り当てる
5.リスケ…予定や日程を組み直す
■最も親しみのあるビジネス用語
1.エビデンス…証拠・根拠
2.リスケ…予定や日程を組み直す
3.アジェンダ…プラン・計画
4.コミット…責任を持って取り組む
5.コンセンサス…意見の一致、合意
(DuolingoとLinkedInが共同調査)
職場で飛び交うビジネス用語について、ダイヤモンド・オンライン編集委員の神庭亮介氏に話を聞いた。
「『リスケ』や『アジェンダ』のように、“混乱”と“親しみ”の両方に入っている言葉がある。これは嫌いな芸能人、好きな芸能人のランキングに同じ人が入っているようなものだ」
『リスケ』は“混乱”で5位に入る一方、“親しみ”でも2位。だんだんと広く使われるようになり、親しみを持たれつつあるのかもしれない。選ばれて残っていく言葉と、馴染まずに淘汰されていく言葉の両方がある」
なぜ、わざわざビジネス用語を使うのだろうか?
「ここで取り上げられている言葉は、一般的なビジネス用語というよりも元々はコンサルや広告代理店、IT系などの業界用語に近いのでは? 特定の領域でしか通じない業界用語、専門用語を『ジャーゴン』という。あらゆる業界にジャーゴンがあり、『この言葉を知っているんだから仲間だよね』と、身内の結束を固める作用がある。
一方で、新人や業界の外側にいる人たちは『何その言葉?』とイラッとしたり、疎外感を抱いたりする。業界用語を多用することで、求心力と遠心力の両方が働く」
――女子高生が流行り言葉で仲を深めるイメージか?
「そのビジネスバージョンでは。横文字のビジネス用語をコスプレのようにまとうことで、『自分はバリバリのデキるビジネスマンだ!』と錯覚し、自信を深める人もいるのかもしれない。それを冷ややかに眺めるか、一緒に踊る阿呆になって『自分もコスプレしてやるぜ』と思うかの違いだろう」
(『ABEMAヒルズ』より)
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