徳島県・勝瑞駅の駅トイレが、道路に面していながら扉などが存在しないため、「通行人から丸見えだ」と話題になっている。「ちょっと抵抗ある」「人が多い時には使いたくない」などの声もあがるが、トイレに対する「恥」の感覚は国によって差があるのか。『ABEMA的ニュースショー』は調査した。
ANNニューヨーク支局の中丸徹記者は、アメリカの感覚として「(トイレが丸見えで)恥ずかしいというよりは、プライバシーの意識が強い」と話す。議論やハグなど、対外的なことは日本人より圧倒的にオープンながら、プライベートはしっかり守るそうだ。
「アメリカのトイレで一番の懸念は防犯。トイレの中では犯罪は起こりがちだという認識が強く、個室化しないための工夫がしてある。様子がわかるように、下が30〜40センチほど空いている。ただ、通りから中が見えるようなことはない」(中丸記者)
ANNロンドン支局の寺尾拓人記者は、イギリスは日本と比べて、公衆トイレの数が圧倒的に少ないと伝える。仮にあっても、汚いことが多く、あまり利用したくない印象があるという。ロンドン市民も不満を口にする。
「そんなに気にしないが、誰か知らない人が入ってくる可能性があるので、少し嫌な気持ちもある」
「(イギリスのトイレは)ぜんぜん良くない。非常に気持ち悪い」
「トイレの場所さえロックでき、きれいで安全であれば大丈夫。別にそこにドアがなくても構わない」
フランス・パリ在住の女優・永島由紀子さんは、フランスには最近公衆トイレができたと語る。有料公衆トイレもあり、高いところでは2ユーロ(約300円)かかるそうだ。「公衆トイレは1人しか入れず、人が変わるたびにオートで清掃してくれる」。一方で、カフェやレストランのトイレは汚く、きれいに使うのは日本人独自の文化だと指摘する。
ケニア在住YouTuberのシンノスケさんは、掘っ立て小屋のような場所で、地面に掘られている穴に排せつすると話す。「立ちション」もよく見るが、人に見られるのは嫌がったり恥ずかしがったりするそうだ。「小便器で人が隣にいると背中を向ける。性に対するおおらかさはないほうだ」。
コロンビア出身のエミリオさんは、「日本人には問題があるように感じるかもしれないトイレが、コロンビアだとキレイなほう。何にも気にせず使える」とコメント。インド在住のサントスさんは、2014〜2019年に大量にトイレが作られたが、基本的には和式便器で、「洋式のトイレでも足を便座にのせて、和式にして使うことも多い」と明かした。
トイレ研究家の白倉正子氏は、スペインには1台で3方向から使える、外に設置されている小便器があると紹介。立ちション対策の意味合いがあり、「他の人から自分の排せつ姿勢を見られても悪くはないと思っている国民性なのかもしれない」と分析する。また、アフリカのザンビアには、排せつ物を肥料のように再利用することを目指したトイレもあるという。
「トイレや排せつに対しての価値観は、その国の地域や文化性、宗教などに影響を受ける。日本の場合、音ひとつでも嫌だという繊細な人たちが多い国民性なんだなと読み取れる」(白倉氏)
そうした中、俳優の原田龍二はモンゴルを訪問した自身のエピソードを告白。草原でどこでも用を足せるが、川のそばはダメだと教えられたといい、「実に気持ちがいい」と振り返る。「見られていることもぜんぜん気にならないくらいスペーシーな空間。おすすめです」と推奨する。
「隣近所といっても、何十キロ先まで人が住んでいなかったりする。全く気にならず、心地よさを感じながら排せつできる」(原田)
耳慣れない単語に、元SKE48の須田亜香里は「『スペーシー』って何ですか?」と聞き返すが、詳細を聞いて「すごい……」と感心していた。(『ABEMA的ニュースショー』より)
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