6月25日にZOZOマリンスタジアムで行われた千葉ロッテマリーンズ対北海道日本ハムファイターズの一戦で、“美しすぎる復帰弾”を放った日本ハム・清宮幸太郎。そんな清宮が長期離脱から復帰を果たしたことで、さらなる戦力アップが見込まれることから、後半戦の“台風の目”とする声も少なくない。
【映像】日ハム・清宮、美しい弾道でホームランが入る瞬間
この試合で清宮は、3-6、日本ハム3点のビハインドを追う9回表、1死走者三塁の場面で、ロッテの守護神・益田直也から、1点差に迫る2ランアーチを放ったが、戦列復帰後に放った最初の一打が、このような場面での一打というところに、“清宮らしさ”を感じさせるとともに、後半戦の巻き返しを期す指揮官にとっては、その姿がなんとも頼もしく感じられるものであったことだろう。
多くの人々が知るように、清宮といえば、それこそ小学生の頃から“怪童”として知られ、国際大会でもその打棒を炸裂。辛口な報道も目立つ米メディアさえも「和製ベーブ・ルース」とまで呼ぶほどの逸材であったが、その頃から現在に至るまで、「清宮の特徴」として挙げられるもののひとつに、今回の一打だと同様、美しい軌道を描く“美本塁打”がある。実際、昨季も3月26日の福岡ソフトバンクホークス戦で放ったライトへの一発は、その美しすぎる放物線で大きな話題となり、野球通のタレント・稲村亜美などは「スイングがゆっくりと見えるんですよね。ゴルフのドライバーを打っている感じ。完成されていて、ミートで飛ばす感じがしてかっこいい。余裕を感じます」と絶賛している。
また、そうした打撃面での特徴に加え、近年、清宮は守備面でも大きな成長を見せているが、その根底にあるものは、やはり強烈な打球でも一歩も引くことなく、積極果敢に処理する“強心臓”ぶりであろう。今季も4月15日の埼玉西武ライオンズ戦(エスコンフィールドHOKKAIDO)では、清宮はバントシフトからの猛チャージをする中で、打者がバスターに転じたことで、あわや顔面直撃といった強烈な打球に見舞われることとなったが、清宮は一切動じることなくこれを止め、的確に処理。そのため、このプレーを見た野球解説者の里崎智也氏は、4月21日放送の『バズ!パ・リーグ』(ABEMA)に出演した際に、「今年のファイターズ清宮、ファースト守ってるときもそうですけど、結構(バントシフトの)チャージ、ハード気味にかけてくるんですよね。その中でね、バスターになりましたけど、よく捕りましたね。」と、その“強心臓プレー”を称賛していたし、昨季も9月2日に行われた東北楽天ゴールデンイーグルス戦で同様のプレーがあった際にも、同じく野球解説者の五十嵐亮太氏が「近距離で打球が来たら)“危ない!”ってなるんですけど、逃げずにしっかり見てるじゃないですか」と、驚いた様子で称賛していた。無論、こうしたプレーは、ややもすると負傷の危険性を孕むものだが、少なくともこうした一球に賭ける強い思いと、ここ一番の度胸は、チームメイトにとっても指揮官にとっても、なんとも心強いものであるだろう。
さて、そんな“頼もしい清宮”を前半戦の多くで欠いた戦いを強いられた日本ハムだが、蓋を開けてみれば、7月1日終了時点で33勝40敗で4位と、健闘を見せている。そこに新たに清宮が復帰したことで、果たして後半戦、どのような戦いを見せることとなるのか。昨季まで“敵将”として日本ハムを見続けてきた西武前監督の辻発彦氏も「本当に台風の目ですよ。」と断言するだけに、その戦いにじっくりと注目したいところだ。
(ABEMA『バズ!パ・リーグ』)