19連勝を飾ったのは、得意とするボディではなく、カーフによる衝撃KO。2ラウンドにカーフキックで3度のダウンを喫し、最後は足元からぐにゃりと崩れ落ちるも、17歳ファイターが足を引きずりながら見せた奮闘ぶりに称賛と労いの声が相次いだ。
7月2日に大阪・エディオンアリーナ大阪 第1競技場で開催された「RISE WORLD SERIES 2023 1st Round」で、大﨑一貴（OISHI GYM）とアイマン・ラマー（フランス）が激突。試合は2ラウンドにカーフキックで3度のダウンを奪った大﨑が盤石の19連勝を飾ったが、10日前の緊急オファーで代打として白羽の矢が立った敗者アイマンの思わぬ健闘ぶりに「また観たい」「本当にいい選手」と称賛の声が上がった。
「RISE WORLD SERIES 2023 -54kg Tournament」の一回戦。当初出場予定の選手が練習中のケガで欠場し、大﨑の対戦相手に抜擢されたのが欧州のエンフュージョンで活躍するフランス在住の17歳のスペイン人ファイター・アイマンだ。試合が決まったのが6月23日と準備期間はわずか10日。しかも相手は今最も勢いのある大﨑と、厳しい条件ながら果敢の参戦となった。
しかし、アイマンが下馬評を覆す戦いを見せる。ゴングとともに近い距離でテンポ良くパンチを当てていくアイマンは、大﨑の重いローに怯まずスピーディーな攻撃を展開。ABEMAゲスト解説・中村寛は「思いきりのいい選手ですね。お互い思ったより威力があるなと思っているはず。大﨑選手もボディが怪しい場面があった」と高評価。すると、もう一人のゲスト・山田洸誓も「このラマー選手強いですよ」と太鼓判を押す。
その後、大﨑の強烈なボディ打ちに後退するアイマンだが、必死に応戦。ひたむきな激闘ぶりに「頑張れ」「17歳やるな」とファンから声援があがる。対する大﨑は淡々と相手のボディを重い打撃で打ち抜いていく。サンドバッグ状態となったが、それでも試合終了間際にアイマンがスピンキックで一矢報いてラウンドを凌いだ。
試合が決したのは2ラウンド。大﨑と真っ向から打ち合うアイマンだが、開始40秒、前ラウンドからのダメージの蓄積かボディから左カーフを削られ足からぐにゃりと崩れ落ちる最初のダウン。それでも片足を引きずりながら試合に復帰し、パンチの連打で魂の応戦。ここまでくると「立ったぞ」「ラマー頑張れ」「根性あるな」とアイマンにエールがズラリ。そんな空気のなか、19連勝へ向け大﨑は非情なカーフ攻めで2度目の悶絶ダウンを奪う。
それでも足を引きずりながら再びリングに復帰するアイマン。なんとか力を振り絞り復帰したが、再び鬼のカーフを被弾し、3度目のダウン。前のめりで力尽きた。
怒涛の19連勝で敵なし。もはや”勝って当たり前”が定着した大﨑には「フィジカルが化け物」「本当に強すぎる」「完全に心ごとへし折った」と驚嘆の声。一方、敗れたアイマンに対しては「また観たい選手」「今後が楽しみ」「応援したい」と労いの声。実況席の中村も「まだ10戦、これからでしょう。本当にいい選手ですね」と改めて健闘を称えた。
試合後、大﨑はマイクで「直前にもかかわらず、試合出場していただいて、僕と対戦していただいてありがとうございました。すごい若い選手で、ガンガン来るかなと思って。本当は1ラウンドで倒したかったんですけど、時間かかってしまいました」とアイマンの実力を認めつつ、次戦・田丸戦への意気込みを語った。
