2021年のハロウィーン当日、服部恭太被告(26)が「ジョーカー」に仮装して京王線の特急内で火を付けて男性を刺すなどし、殺人未遂や現住建造物等放火などの罪に問われている事件。
その初公判が行われた6月25日、山手線でも“刃物騒動”が起きた。JR新宿駅の駅員が「刃物を振り回している男がいる」と110番通報。車内やホームで撮影された動画には「子どもいるぞ!」「逃げろー!」などと叫び、パニック状態で車両を飛び出す乗客たちの様子が映し出されている。転倒する乗客や、ホームに散乱する誰かの持ち物も。しかし騒動は、意外な真相だった。
「勤め先を辞めるから、包丁を持ち帰ってきた。ちょっと寝てしまって、ふきんのようなものに包んでいた包丁を落としてしまった」(外国人男性)
警視庁によると、飲食店勤務の外国人男性(50代)が包丁を落とし、それを見た乗客がパニックを起こした。そこから「包丁を振り回している」「火をつけた人がいる」など、事実とは異なる声が広がり、騒動となったとされる。
とはいえ、実際にそのような現場に遭遇したら——。気になるのが、乗客がこの騒動をスマートフォンで撮影していたことだ。身の危険を感じていた状況で、なぜ撮影できたのか。動画を撮影した客は、こう振り返る。
「殺されるかどうかもわからないが、そのまま自分が死ぬとなっても、何か残したいなと思った。スマホで状況だけでも、音声だけでも残せたらなと、割と冷静に撮った」(動画を撮影した客)
勘違いで起きた「刃物騒動」だったが、タレントの副島淳は「群集心理の怖さを見た」といい、乗客が押しつぶされるなど二次被害の危険性もあると指摘する。タレントのでか美ちゃんは、今回の騒動を見て「冷静にならなきゃ」「ただのうわさかもしれない」と意識する人も増えるとしつつ、もし実際に悪意ある事件だった場合を考えると、「そこを見極めて、自分の身を守ったり、周りの人を助けたりする冷静さは難しい」と分析する。
ドランクドラゴンの鈴木拓は、「危機意識としては非常にいいことだと思う」と話す。ただ、パニックになって子どもらが巻き込まれたり、一斉に警戒したり逃げたりすることについては疑問視をして、「安全な日本でなくなっていくのは悲しい」と語った。(『ABEMA的ニュースショー』より)
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