6日朝、マーク・ザッカーバーグCEO率いるMeta社の提供で立ち上がった新しいSNS「Threads」。当初、同日の23時だった予定を前倒し、朝8時(※現地時間)にサービスを開始した。7時間でユーザー数は1000万人を超え、早くも話題を集めている。
【比較】TwitterとThreadsの“違い”まとめ(画像あり)
ニュース番組「ABEMA Prime」に出演した、ITジャーナリストの三上洋氏は「新規サービスで“前倒しスタート”はあり得ないことだ」と話す。
「Meta社はかなり思い切ったと思う。ユーザーの増え方はおそらく、世界最速の記録ではないか。翌日には2000万人に届く勢いだったし、今までのネットサービスではあり得ない。ChatGPTを超える勢いだ」
Instagramからアカウント情報を引き継げることも、爆発的に伸びた理由だという。
「Threadsでは、Instagramのフォロワーもそのまま引き継げる。画面を見ると分かるが、Threadsは“ほぼTwitter”だ。リツイートはリポスト、下部にいいねボタンがある。投稿の感じもほとんどTwitterと同じ。Twitterへの明らかな“刺客”だ。すごいと思ったのは、500万人、1000万人が一気に入ってきても、サーバーがパンクせず、落ちなかった。実際、Twitterに閲覧制限がかかってみんな他のサービスにいったが、それらはパンクしてしまった。ちゃんと動いているだけで私はすごいと思う」
Threadsの特徴について、三上氏は「良い点も悪い点もある。文字数は500文字、画像は10枚、動画も10個投稿できる。Twitterの場合は半角で280文字、全角で140文字なので、倍くらい違う。悪い点は、今のところハッシュタグ機能、投稿検索がない。DM機能もない。かなり痛いところではあるが、今日始まったばかりのサービスなので、ちょっと待ってほしい。元になっているのはInstagramのアプリだ。ハッシュタグ機能とDM機能は絶対できると思うし、時間の問題だ」と話す。一方で「投稿検索は分からない」とコメント。
「みんなTwitterの投稿検索を当たり前に使っているが、これはすごく優れている。10年前、12年前のものであってもキーワード1つで出てくる。Twitterは何億、何十億とたくさんのツイートがあるのに、ポンとボタン1つで検索結果を出せる。残念ながら、Meta社に実現できるか分からない」
今の時点でTwitterとThreadsは何が違うのだろうか。三上氏は「Twitterに慣れている人だと、使用感については賛否ある」と答える。
「例えば、タイムラインの表示だ。投稿の並ぶ順番に違和感を持つユーザーもいる。イーロン・マスク氏が買収してから、Twitterは駄目になってきている。お金を稼ぐために有料課金という方向に舵を切った。一方で、あくまでMetaは広告でやっていくスタンスは変わっていない。あと日本の場合、Twitterは匿名ユーザーが多い。Threadsは元がInstagramだから、Facebook連携している人や実名登録者が多くなる。ここをどう見るかだ」
その上で、三上氏は気にかかっていることとして「Metaの個人データ収集」を挙げる。
「実際にMetaはどのようなデータを収集しているのか。公式には『ユーザーに関連付けられたデータを収集する』と書いてある。連絡先はもちろん、位置情報、閲覧履歴、健康やヘルスケア情報。もしかしたらスマートフォン上の歩いたデータまで収集しているかもしれない。現在のアプリで確認したところ、今のバージョンでは取られていなかった。しかし、今後こういった情報が取られるとなると、今まで匿名のTwitterに慣れてきた若者からは『なぜ?』『収集するのは気持ち悪い』といった声が上がるかもしれない」
一方のTwitter社はイーロン・マスク氏の買収後、大量の従業員をリストラし、不採算部門を閉鎖。リモートワーク不要論を提唱し、ハードワークを示唆した。6月30日頃からデータ不正取得防止策として、ユーザーが1日に閲覧できる投稿数を絞るなど、運営に批判が相次いでいる。
「今の閲覧制限はTwitterにとってピンチだ。イーロン・マスク氏は否定しているが、みんな見られないわけだから、広告収入も落ちるはず。広告がなきゃ、今のTwitterは生き延びられない。Threadsの対抗策として、閲覧制限は一時的に解除するか、和らげないといけない」
(「ABEMA Prime」より)
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