町田ゼルビアは9日、明治安田生命J2リーグ第25節で東京ヴェルディとの"東京クラシック"を戦った。J2史上初となる国立開催の一戦は、クラブレコードとなる3万8402人が見守るなか、2点を先行するも終盤に追いつかれてのドローとなった。
首位・町田(勝ち点53)と2位の東京V(勝ち点43)によるJ2の首位決戦。J2クラブでは史上初となる新国立競技場で行われた東京クラシックは、多くの観客が見守るなかで行われた。
町田GIONスタジアムを使用している町田の過去最高動員数は、今年5月21日に清水エスパルス戦で記録した1万444人。約3倍もの観客が見守るなかでの一戦に向けて黒田剛監督は「立ち上がりから国立というピッチの重圧やプレッシャーに押し潰されないように」と試合への入りにこだわる。
選手たちはそれを体現するように、序盤から果敢に攻め込むと、2分にはエリキと安井拓也のパス交換で切り崩し、最後はこぼれ球を藤尾翔太が押し込んで幸先よく先制した。
以降はポゼッションを東京Vに譲りながらもしっかりとしたブロックから前線のエリキを起点としたロングカウンターでゴールを目指す。すると38分には、エリキのラストパスを安井拓也がダイレクトで蹴り込んで、町田が2点リードしてハーフタイムを迎えた。
「2点をしっかりと奪って前半を終えられたところまでは凄く評価できますし、プラン通りでした」と指揮官が振り返るように完璧なゲーム運びを見せた町田。後半も粘り強い守備から素早い切り替えでゴールを目指す。
しかし終盤になると徐々に足が止まり始め、73分には染野唯月にヘディングでゴールネットを揺らされる。さらに83分にも染野にゴールを奪われて試合は終了。土壇場で勝ち点2を落とす結果となった。
試合を振り返った黒田監督は「ちょっとした国立のピッチ、流れというものに浮き足立ってしまったのか、もっともっとやれることはいっぱいありました」とコメント。普段とは違う雰囲気のなかでプレーする難しさを語った。
勝つことはできなかったが、J2首位を争う直接のライバルとの差はキープ。「勝ち点1をポジティブに捉え、勝ち点差が縮まったわけではないので、反省材料を持ちながら、次の試合に向かっていく」と指揮官は切り替えて次節に目を向ける。
さらに「今日は3万8000人以上の人が来てくれた。町田の勢い、色々なことに対しての期待、見たいと思ってくれて集まってくれたと思うので、もっと良い形で町田のサッカーを見せて、勇気や感動を見せられるようにしたい。国立のピッチでサッカーをすることに恥じることのないように、まだまだ強い町田にしていければと思います」とさらなる成長を誓った。
(ABEMA/ゼルつく)