デュエルとは「激しいぶつかり合い」のことではない──日本代表の新キャプテンに就任した遠藤航が、その極意を語った。
昨季、遠藤が4位となった「デュエル勝利数」を争った上位のメンバーはみな185cmオーバーの長身選手。178cmの遠藤はなぜ、その土俵で戦えるのか。遠藤が「身長は関係ない」と言い切る、その真意とは。
ドイツ1部(ブンデスリーガ)のシュトゥットガルトに所属する遠藤は昨季、獲得していれば自身3年連続となる「デュエル王」を争った。残念ながら4位となったものの、その数字は上位陣と遜色ないものだった。特筆すべきは、1位のベリンガム(ドルトムント/186cm、76kg)、2位のヘクター(ケルン/185cm・75kg)、3位のホフマン(ボーフム/195cm・89kg)と、遠藤航(178cm、76kg)は、ひと回りもサイズが大きいな相手と競っていたことだ。
ただ、サイズとデュエルの関係を問われた遠藤は、こう話した。
「それは『デュエル』という言葉が、どちらかというと1対1でバチンとぶつかり合うイメージというか。なので、僕のような選手の勝利数が上がると『なんで?』となると思いますけど、1対1は基本的にぶつかり合いが多くない」
「どういうふうに足を出したらボールを奪えるか、どのタイミングで、どの角度からプレッシャーに行けば奪えるのか、相手がどういうことを考えてプレーしようとしているのか。僕の場合は、どちらかというと、予測や駆け引きの部分でデュエル勝利数を稼ぐことが多いと思っている。だから、身長は関係ない。駆け引きやクレバーさの方がデュエルを勝っていくにはすごく重要な要素だと思っています」
昨季の遠藤がリーグ戦で受けた警告は3枚。終盤戦を迎えるまでは0枚だったことも驚きだが、年々、この3シーズンで5枚、4枚、3枚と少なくなっているように、不用意なプレーをせずにデュエルで勝っているのだ。
「日本では、“汚いプレー”があまりいいものだとは捉えられていないですよね。タクティカルファウルとかも。僕もどちらかと言えばそれをしないで、クリーンに奪い切ることを意識しています」
身長は関係ない。クリーンに奪う。それがこだわりであり、美学だ。
「いかに早くポジションを取って、ファウルをしないで奪えるかを常に考えながらプレーしている」
その結果が、2年連続デュエル王、3年連続デュエル勝利数400超えという数字。遠藤は、激しいぶつかり合い“ではない”1対1に勝ち続けてきたことで、ブンデスリーガで圧倒的な存在感を示し続けているのだ。
(ABEMAスポーツタイム)
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