円安、ユーロ高の影響でさまざまな食品が高騰しているなか、飲食店の経営者から悩みの声が聞こえている。
【映像】食品値上がりでも工夫、奮闘する洋食店 ユーロ高いつまで
東京・銀座にありながら、家庭的な雰囲気でフレンチが楽しめるお店。食材のほとんどがヨーロッパ産のため、輸入コストの高騰の影響が出ていた。
「フランス料理をやっているのでフランスの食材が一番多いが、すべてのものが値上がりしていると思う」(欧風料理シャンティイ・水口理哉オーナーシェフ)
最近の円安の特徴は、「ドル」に限らず世界の様々な通貨に対しても「円」が弱くなっていること。ユーロに対しては6月、1ユーロ=157円台まで値下がりし、約15年ぶりの円安水準となった。7月に入っても150円台半ばを維持していて、円安が止まらない状況だ。
「為替が気になるのはワインを買うとき。仕入れ値が露骨に上がっていますので、5割から倍になっているのではないか」(水口さん)
2022年に比べ、仕入れ値が5割ほど高くなったワイン。コースメニューの材料費も3割ほど上がったため、店はある決断を迫られた。水口さんは、コースの目玉になる高級食材のフォアグラを、イベリコ豚のレバーに変更するなど、メニューを調整することでコース料金を何とか据え置いた。
「いくら食材が値上がりしたといって、このあいだまで5千円だったものを1万円、1万5千円にできない。ある程度もとの状態に落ち着いてほしい」(水口さん)
一方、円安の影響は海外のブランドを取り扱う質店にも及んでいる。スイスの高級腕時計ブランド「オメガ」の人気モデルは、2年前は約40万円で販売していた。
「中古品でかなり人気のあるモデルは、オメガのスピードマスターのプロフェッショナル。今の価格でいうと税込みで約50万円まで上がってきているので、約2割以上は上がっている」(大黒屋 新宿本店・小原覚店長)
金額が上がってきた理由について、小原店長は「需要が高まっているのと、円安やりユーロ高が影響しているのかな」と話す。フランスの高級ブランド「ルイ・ヴィトン」のバッグも、2年前に比べ2割以上販売価格が上がったという。
円安ユーロ高となった影響で、客層にもある変化が出ていた。
「アジアの方は前からいらっしゃっていただいていますけど、アメリカの方やヨーロッパの方など、幅広い国の方に来ていただいていると実感しています」(小原店長)
円に対してユーロは今後も高くなっていくのだろうか。
「ヨーロッパの方は景気回復の局面にあり結構景気が良いということですから、しばらくはユーロ高が続く。来年、再来年の予測を見てもさらにユーロ高が激しくなるという予測が出ています。日本経済が極端に弱いわけじゃないですから。相対的な感じで円安になっているわけですから、円安が加速するということはないと思います」(元財務官・榊原英資氏)
(『ABEMAヒルズ』より)
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