「駆け引きとパワーのあるデュエルをする」。日本代表の新キャプテンに就任した遠藤航が、昨季のブンデスリーガMVPのスゴさを語った。ドルトムントで戦った19歳はシーズン終了後、レアル・マドリードへと移籍。まさに彗星の如く、世界のフットボールシーンを驚かせている。遠藤はそんな“神童”と対峙し、なにを感じていたのか。
ベリンガムがイングランド2部のバーミンガムからドルトムントに移籍したのが2020-2021シーズン。遠藤がシュトゥットガルトに期限付き移籍したのはその前年だったが、1部昇格を果たし、両者が合間見えたのは同じ時期だった。
「僕がブンデス1部に上がった時に移籍してきて、彼は最初から試合に出ていたのですが、出れば出るほど逞しくなっていて、体つきもどんどん変わっていった。1年目は細かったのですが、試合に出ることで強さや迫力が増していった。ボールを持った時の体の使い方がすごくうまい。ボールを奪われない置きどころ知っている選手ですね」
ベリンガムについて問われた遠藤はそう答えた。その問いかけの前、「ものすごい選手が出てきました。ピッチでまさに体感していると思いますが」と伝えた際に、頷きながら苦笑いしていたことも、付け加えておく。
実際、昨季でいえば2022年10月の最初の対戦では0-5と一蹴された。しかもベリンガムに2得点を奪われて。続く今年4月の対戦は、2点を先行されながらも追いつき、アディショナルタイム2分に勝ち越されたものの、その5分後に同点弾を決めて劇的なドローに持ち込むなど壮絶な戦いを繰り広げた。バイエルンと最後まで優勝を争ったチームであり、ブンデスリーガの2強の一角の彼らは、遠藤を擁するシュトゥットガルトにとっては、まさに大敵だったはずだ。
そのチームの若くして“心臓”となっていたのがベリンガムである。明確に彼は、優勝争いするチームの中心で戦い、勝敗を左右するプレーを示した。それはまさに、遠藤の立ち振る舞いとも重なる。
「(中盤の選手が勝たなければいけないという)そういう認識ではいます。中盤の選手の出来がチームの出来を左右すると思っているので、僕のパフォーマンスによってチームがどんなシチュエーションになるかは常に考えている。それくらいの覚悟を持ってやるほうが、中盤の選手のパフォーマンスは良くなる。僕はキャプテンとしてプレーしているのでなおさら、それくらいの責任感を常に持ちながらやることがすごく大事だと思っています」
19歳の躍動に刺激を受け、30歳の遠藤もさらなる決意を固めていた。「ベリンガムは、デュエルという意味では、駆け引きがあるなかで、さらにパワーがある。そういう選手だと思います」と、デュエル王の座を奪われた相手に言及した。その彼はスペインへと舞台を移したが、遠藤が果たすべきはもちろん、“王座奪還”だろう。
(ABEMAスポーツタイム)
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