実業家のイーロン・マスク氏が、自身のTwitterを更新。ChatGPTに対抗するAI企業「xAI(エックスAI)」を立ち上げると発表した。ChatGPTを開発したOpenAIに攻勢をかけるもので、設立は「現実を理解するため」としている。
【映像】「ここを押さえたらいろいろ独占できる」 AI開発“入口の争奪戦”とは
AIをめぐる企業の競争はどうなっていくのだろうか。『ABEMAヒルズ』は、株式会社「THE GUILD」の代表取締役・深津貴之氏に話を聞いた。
「マスク氏は元々OpenAIと一緒にやっていたが、ケンカ別れのようになった経緯がある。やはり自分のためのAIを作りたい考えがあるのではないか。現在、チャットAIと画像AIはそれぞれ分かれているが、AI開発企業が目指しているのは、1つのAIモデルでいろいろな動作ができる『マルチモーダルAI』だ。1つのワードで画像を生成でき、それを音楽に変換してみたり映画にできるような、すべてが統合されたAIを大きなプレイヤーは目指している。
各企業のAIが汎用的になればなるほど、ぶつかる領域は増えていく。しかし、1社だけが残るというよりは複数の優秀なAIが並列して存在するようになると思っている。人間が使う際もどれか1つのAIの意見ではなく、セカンドオピニオンのように複数のAIの意見を取りまとめて答えを引き出すようになるのではないか」
続けて、深津氏は自身の考えを図説する。
「各AIの意見を取りまとめて、最終的な結論を出すための“まとめAI”のようなものが生まれると予想している。ただ、今はまだつなげるための各社のAIが出揃う前の段階だ」
次に深津氏はAIに問い合わせのための“入口”について言及。ここを押さえた企業が「いろいろなものを独占できる」として次のように述べた。
「結局、裏でどれだけ優秀なAIがあったとしても、それに質問するための“入口”は必要になる。AppleならiPhoneに聞いたら答えてくれる、GoogleならGoogle PixelでGoogle AIに聞きなよ、といったように、手前に陣地を作る争いがこれから起きてくる。
独自の用語で『耐雑性』と言っているが、アプリケーションにおける入口で大事になるのは、正しく使えば性能が発揮できることだが、『雑に使ってもいい成績が出る』『雑に使っても失敗しない』というポイントもある。いまは入口がOpenAIにつながっているぐらいの状況だし、人間側が“AIが答えやすい質問”を考えなければならないという壁があるが、インターネット創成期のどのブラウザを使うかという競争が起きたとき、スマホが出てきたときと同じような大きな変化が起こると思う」
(『ABEMAヒルズ』より)
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