「うわぁ」館内から心配の声も両力士が二度も土俵下に落下で苦悶勝利への執念に拍手喝采

＜大相撲七月場所＞◇六日目◇14日◇名古屋・ドルフィンズアリーナ（愛知県体育館）

　序二段五十四枚目・貴大将（常盤山）と序二段五十七枚目・昂輝（湊）の一番で、取り直し含め二度続けて両力士が土俵下に落下する場面があった。落ちた力士はうめき声を上げ、館内騒然。決着がつくと、執念の勝利に拍手が沸き起こった。

　立ち合い手を出して当たった貴大将。のど輪で前に出ると土俵際へと相手を追い詰めたが、昂輝がうっちゃるように粘り、両者は同時に土俵下へ。軍配は貴大将に上がったものの、物言いがつくことに。協議の結果、同体で取り直しとなった。

　取り直しの一番では、立ち合いやや右に動いた昂輝と低く当たった貴大将が、激しい突き押しの攻防戦を展開。左を差して組むとこう着状態になったが、最後は貴大将が懸命に前進。寄っていく貴大将と土俵際で耐える昂輝がもつれ合うように土俵下へと落下した。

　落下直後、力士からは「うぉぉ……」と苦悶のうめき声が。館内からも「うわぁ」といった声も上がるなど騒然となりざわめいたが、両力士の健闘を称えるように拍手も沸き起こった。再び物言いがついたが、昂輝のかかとが先に出ていることの確認で、行司軍配通り貴大将の勝ちとなった。貴大将は3勝目。敗れた昂輝は1敗目を喫した。

　両力士は物言いの結果を聞くと、土俵に上がり、自らの足で何事もなかったかのように花道を下がって行った。館内を沸かせた白熱の一番に対して、ファンから「大丈夫か」と心配の声が寄せられたほか、勝利への執念を見せた力士の姿に「お疲れお疲れ」「頑張った」とねぎらいのコメントも相次いでいた。（ABEMA『大相撲チャンネル』）