これから、K-1が大きく変わることになりそうだ。7月17日の両国国技館大会で、これまでプロデューサーを務めてきた中村拓己氏の退任が発表に。翌18日、特別番組において新体制と今後の展開がお披露目された。

 新プロデューサーに就任したのはカルロス菊田氏。ニューヨークを拠点に2003年から旧体制のK-1に携わり、国際的な映像シンジケーションビジネスを構築。約140カ国にK-1系イベントの放映権をライセンス販売してきた。また中国の投資家とUFCチャイナの立ち上げにも尽力。GLORY JAPANのGMを務めたことも。

「今回、K-1プロデューサーとしてお声がけをいただいたのは、新生K-1が国内での活動にフォーカスしてきた中で、今後は海外に展開しようという背景があってのことです」

 就任直後のカルロス菊田氏は、ABEMA TIMESのインタビューにそう答えた。その“立ち位置”は、格闘技の専門家だった過去のプロデューサーたちとは違うものになりそうだ。

「私は映画のファイナンスに関わっていたこともあるのですが、映画には現場を取り仕切るラインプロデューサーと、お金を集めてクランクインさせ、クランクアップまでもっていくエグゼクティブプロデューサーがいます。私はビジネス系の分野で仕事をしてきて、ビジネスマインドが強い。ですからエグゼクティブプロデューサーに近い立場になります。海外の放送局やスポンサーのディールを決めてきたり、そういうところで力が発揮できるかなと。マッチメイクに関してもいろいろな方に協力していただきながら“この選手がこの地域で試合をすれば選手とK-1の価値が上がる”という視点で関わっていくことになるでしょう

 北米は圧倒的にMMAのマーケットだが、東西ヨーロッパ、中南米、アジアでの映像販売、大会開催を目指していくとカルロス菊田氏。2014年からの新生K-1が軽量級を盛り上げてきたことも高く評価しており「海外の選手の出場だけでなく、今いる日本の素晴らしい選手たちの存在を海外にも広めていきたい」と言う。

 9月10日には、新体制一発目の大会を開催。横浜アリーナで『Re BOOT』と題したイベントを行う。

 これはK-1と、桜庭和志がプロデュースするグラップリング団体大会QUINTETの合同イベント。K-1とQUINETが資本業務提携提携を結んだことも発表された。K-1は「ReBIRTH」、QUINETは「ReSTART」がコンセプトになる。それぞれ、基本的には別の大会として運営・開催されていくが、まずは9月、合同大会で格闘技界に大きなインパクトを示そうということだろう。

 またK-1は旧体制と同じK-1 WORLD GPとK-1 WORLD MAXの2大ブランド制に移行。GPはヘビー級・無差別級、MAXは中軽量級のイベントとなる。

「かつてのK-1はヘビー級、無差別級の大きな男たちがナンバーワンを決めるという大きな魅力がありました。それを再現することで、新しいファンを開拓していくとともに古くから見てきた人たちにもアピールしていけたら」(カルロス菊田氏)

 ただ旧K-1が人気を博した時代とは違い、現在は選手の発掘、獲得もかなり難しくなっている。GLORY、ONEなど競合団体があり、MMAを目指す選手も多い。そこで「ReBOOT」体制のK-1では、MMAファイターの出場にも注力していくとカルロス菊田氏。

「MMAには打撃が得意な選手も寝技が得意な選手もいます。打撃が得意なMMAファイターはK-1に出てもらう。寝技が得意ならグラップリングのQUINETに。この数週間、何人かの選手に話をしてみたのですが“ぜひやってみたい”という声が多かった」

 もちろん、新たな展開だけに「予測不可能な部分もあります」とカルロス菊田氏は率直に語っている。しかし「海外の放送局、映像権を扱うエージェントからの反応はとてもいい。やはりK-1はブランドとして確立されていますから」とも。

 これから大きく変化していくK-1。しかしインタビューの最後に、カルロス菊田氏はK-1の魅力の根本を語った。

「いい選手たちがいいマッチメイクでいい試合をする。K-1の最大のポイントはそこです。それはずっと変わらない」

魔裟斗も絶句…重量級で“3ダウン&秒殺”KO 衝撃の光景に「嘘だろ」「マジか…」ファン驚愕
魔裟斗も絶句…重量級で“3ダウン&秒殺”KO 衝撃の光景に「嘘だろ」「マジか…」ファン驚愕
女子キック、衝撃KO直後に「泣いてますよ…」魔裟斗も驚きのワンシーン 女王が圧巻の秒殺&4連続KOでV3防衛
女子キック、衝撃KO直後に「泣いてますよ…」魔裟斗も驚きのワンシーン 女王が圧巻の秒殺&4連続KOでV3防衛