テンプルへの一発で前のめりダウン。誰もが「終わった…」と思った次の瞬間にお返しのピンポイント・クロス。秒で攻守が入れ替わる大逆転に「何があった？」「逆転満塁ホームランだ！」などファンが大興奮する衝撃KO劇が起こった。
7月21日にタイ・バンコクで開催されたONE Championship「ONE Fight Night 26」。モハメド・シアサラニ（イラン）とサタンファー・シッソンピーノン （タイ）の試合は、サタンファーが奪った前のめりダウン直後にシアサラニがゾンビのような復活。右クロスで逆転満塁ホームラン級のKO勝利を収めた。わずか30秒で攻守が入れ替わる劇的結末にファンが騒然となった。
（前のめりダウンを喫したシアサラニ）
試合は蹴りパンチ、ヒジとトータルで重さのあるサタンファーがじわじわとシアサラニを攻める展開。シアサラニは組みで引き倒されたりとやや分が悪い立ち上がりとなった。
試合は1ラウンド中盤に差し掛かったころに動いた。サタンファーがタイミング良く振り抜いたシアサラニの右がテンプルを捉える。横向きに崩れ落ちたシアサラニは前のめりにダウン。明らかに効いている…。ABEMA実況・小出アキラ・アナウンサーも思わず「右！終わったー」と終了宣言するが、シアサラニはヨロヨロと立ち上がった。
カウントを聞くシアサラニは完全に目がうわの空で脳が揺れた状態。視聴者も「（サタンファー）強いね」「終わったね」と次の一撃で終わるだろうという予想だった。
がしかし、再開後、サタンファーはとどめの前蹴りをシアサラニの顔面へ放つも勢い余って転倒。立ち上がって再び拳を振るった次の瞬間…なぜか倒れているのは“攻め”のサタンファー。土下座ポーズのまま痙攣しダメージは甚大だった。あまりに唐突な展開に「ええええ？」「何があった？」「大味すぎるだろ」「右のストレートが入った？」と驚きと戸惑いの声が殺到した。
一方、さっきまで息も絶え絶えだったシアサラニは、元気に”来いよ来いよ”とアピール。試合が再開すると至近距離でヒジを連打、前から崩れて動けなくなるサタンファー、ここで試合が止まった。
“ほぼ負け”と誰もが思ったシアサラニの大逆転劇。先程まで「終わった！」発言だった小出アナも「なんですかこの大逆転、どういうことだ！」と絶叫した。
スローリプレイでもシアサラニの最初のダウンは致命傷のような崩れ方。一方、サタンファーが一気に前に出たタイミングでちょこん合わせたクロスの右ストレートも相手の勢いが絶妙にアゴに乗るクリティカルな一撃。
試合は1ラウンド2分26秒でシアサラニの勝利。改めてファンは「逆転満塁ホームラン！」「お互いヤバい倒れ方だった」と大盛り上がり。ゲスト解説の中田大貴もシアサラニについて「この倒れ方をして戻ってくる人はなかなかいない」と苦笑い。当の本人は勝利者インタビューで「あれを自分はダウンだと思ってなかった、倒れただけ」とコメント。あまりにもダメージに鈍感すぎる特異体質に視聴者からは「気絶して別人格が出てきたんじゃないか？」「後から覚えてなさそう」と総ツッコミ状態だった。
