7月17日に福岡PayPayドームで行われた福岡ソフトバンクホークス対オリックス・バファローズの一戦で、オリックスの山下舜平大が、力強いストレートを中心としたピッチングで、ソフトバンク打線を圧倒。今季8勝目をマークすることとなったが、ネット上の野球ファンからは、山下の持ち球である“フォーク”に注目する声が多数巻き起こることとなった。

【映像】ボールが消えた!進化型“野茂英雄の直伝フォークが急落する瞬間

この日は初回かストレートに加え、カーブ、フォークを織り交ぜつつも、勝負どころでは最速158km/hの力強いストレートで押し切る配球を中心に、ソフトバンク打線を翻弄することとなった山下だが、ソフトバンク打線を苦しめることとなったのは、手元で伸びる山下特有の剛速球と、沈み込むフォークボール。実際、ネット上の野球ファンからは「フォークの精度が上がってきた気がする!ストレート、カーブは相変わらず強力だから後半戦は更に成績伸ばすと思うわ」「ペータ君、フォークの縫い目のかけ方がこれまでの試合と違った気がします!今日のフォークは、宇田川投手みたいな回転してて、投げた数がいつもより多く、抜ける割合も今までより少なかったと思いました!」「いやぁ、ストレートとカーブが凄いって言われてたけど、フォークも凄まじいものになってるじゃないですか…。流石だなぁ…。」「フォークが使える球になってきたのがでかい」「フォークがちゃんと落ちるようになってる!シーズン中に成長するとかもうポジしかない」と、山下のフォークに注目する声が相次いでいた。

山下は今季、開幕前に“レジェンド”野茂英雄氏からフォークボールの手ほどきを受け、そこからようやく投げ始めたばかりということもあり、開幕からほどない時期にはそこまで投じてはいなかったものの、その後、徐々に使う割合が増え、今では全投球のうちおよそ10%にまでなった。とはいえ、全体のおよそ60%をストレート、カーブがおよそ30パーセントであることを思えば、増えたとはいえ、まだそこまで多いというわけではないが、それぞれの空振率に注目すると、山下の場合、ストレートがおよそ11%、カーブはおよそ12%であるのに対し、フォークボールは約23%と、実は既に効果的にフォークボールを使って打者から空振りを奪っていることが見て取れるのだ。つまり、短い期間の中で山下は急速にフォークボールを“進化”させているといえるだろう。

山下自身、今年4月のインタビューでは、「ワゲスパックは去年ファームにいた時から、色々なことを教えてもらったりしていて。ワゲスパックや(山)颯一郎さん、宇田川(優希)さんは、結構色々な話をしたりしますね。似てる分、同じ課題があったりするので、共有しながらやっています。」と、コーチらの指導に留まらず、ネット上の情報を参考にしたり、チームメイトのオリックス投手陣と情報交換をしながら“自分磨き”をしていることも明かしていたが、もしかすると山下の“フォークの進化”は、そうした研鑽の賜物なのかもしれない。