日本維新の会が、国会議員への「転職」を呼びかけている。頻繁にオンライン説明会を開催し、「興味があれば未経験OK」「まずは話が聞きたい方も!」と勧誘。野党第一党の立憲民主党を超える候補者数の擁立を目指す。
しかし勢力拡大に向けて、大規模な採用活動を行う一方、維新議員の不祥事も目立つ。これまで起きた事例を振り返ってみよう。
●前川清成衆議院議員:2021年総選挙の公示日以前に、母校の卒業生へ投票を呼びかけるハガキを郵送。公職選挙法違反で罰金30万円の判決が出た。
●中条きよし参議院議員:年金保険料の一部313万円を未納。「不徳の致すところ」と反省するも、国会で新曲発売とディナーショーを告知した。
●梅村みずほ参議院議員:入管施設で亡くなったスリランカ人女性をめぐり、「ハンスト(ハンガーストライキ)によって亡くなったのかもしれない」と発言し、「人権感覚を疑う」と炎上。6カ月の党員資格停止処分。また公設秘書は緊急事態宣言の初日夜、酒を飲み知人とケンカし、車でひいたとして逮捕された。
●上西小百合元衆議院議員:国会を病欠したはずが、居酒屋で3軒はしご酒をしており、除名処分に。
●丸山穂高元衆議院議員:北方領土で「戦争で島を取り返す」などと発言。酒席で「おっぱい! おっぱい! おれは女の胸をもみたい」といった発言もあり、除名処分に。
●笹川理大阪府議(元府議団代表):同じ維新の女性市議にパワハラやストーカー行為をしていたと判明。一時は厳重注意だったが、その後に性的関係を迫るLINEも発覚し、最終的に除名処分に。
●吉田豊史衆議院議員:2022年参院選で、党比例代表の候補者を支援する見返りに、1000万円を要求したとして離党勧告に。「党の認定が間違っている」と拒否し、除名処分に。
●佐藤恵理子上尾市議:下着姿などの自撮り写真をツイッターで公開し、販売していたとして、次期選挙は非公認に。
●堀本和歌子元福岡市議:ライバルの男性候補になりすまし、男性が統一教会と関係があるかのようなビラを配布し、離党に。
相次ぐ「お騒がせ議員」について、馬場伸幸代表は「いろいろな不祥事が起こっていることについては、ご期待頂いているみなさん方に、謝罪を申し上げさせてもらいたい」とコメント。とくに頭を抱えた事案を問われると、「ほとんどがそうだが、本人も記憶にない、事情聴取してもかみ合わない」ことから「酒を飲んでの変な発言」をあげた。
不祥事については、ライバルである立憲民主党からも、やり玉にあげられている。朝日新聞・今野忍記者の取材メモから、立憲議員の胸の内も紹介された。
「議員も寄せ集め。これまでも何度も分裂している。大阪組と非大阪組でケンカして、また分裂でもするんじゃない。実際、選挙違反、お金、セクハラ、ストーカーしたり不祥事のデパート。国会ずる休みして批判されたり、お酒に酔って北方領土で暴れたり、存在してはいけないのはどっちなのか?」(立憲・参議院議員A氏)
この指摘について馬場代表は「おっしゃる通り」だとして、人生経験も政治経験も浅い、若い人々が集まると、こういう問題が起きがちだと説明する。
「気合を入れて、気を引き締めて、やっていかなきゃいけないところだが、だいたい『政治家になりたい』と思う人間はヘン。ヘンな人間しか政治家にならない。『よりマシなヘン』を選ぶ」(馬場代表)
閣僚経験のあるベテランからも、維新を不安視する声がでている。
「議員は公募っていうけど、急拡大させようとしているから、玉石混交というか、かなり危うい。旧民主党からも何人も合流してるけど、2009年の民主党バブルでたまたま一回当選できただけみたいな人が『次は維新だ』と。かなり危うい。勢いっていうのはそう長く続くものではない。また不祥事が出てきて、徐々にめっきがはがれていくだろう」(立憲議員・大臣経験者)
これについて馬場代表は、当選したら「維新スピリッツ」をちゃんとトレーニングして、研修を積み重ねることで、政党の責任として「おかしなことをやらないように」育てる必要があるとの認識を示す。また最近は、お酒を飲み慣れていない若手も多いため、政治活動でかかったストレスによって、過剰に飲んでしまう傾向があるとも語った。
(『ABEMA的ニュースショー』より)
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