将棋の順位戦B級1組3回戦が7月27日に行われ、羽生善治九段(52)が佐藤康光九段(53)に139手で勝利し、リーグ成績を2勝1敗とした。本局は、同一対戦カード記録歴代2位に並ぶ168局目で、対戦成績は羽生九段の113勝55敗となった。
第28期竜王戦七番勝負を含む全13期のタイトル戦ほか数々の名勝負を繰り広げてきた両者による168局目の対戦は、羽生九段が113勝目を挙げた。同一対戦カード記録3位の大山康晴十五世名人-升田幸三実力制第四代名人戦の167局を抜き、谷川浩司十七世名人(61)-羽生九段戦と並ぶ2位。将棋界の“黄金カード”がB級1組で初対戦となった。
本局は、先手の羽生九段が3手目に端歩を突く意表の出だしに。佐藤九段はやや手を止めて考慮した後に四間飛車穴熊に構えた。中盤の難所で先手が銀交換に成功してペースを握ると、ぐいぐいとリードを拡大。やや劣勢に追い込まれた佐藤九段だったが、玉頭から強気に先手陣へ仕掛けていった。
迫力の終盤戦では佐藤九段が必死に食らいつこうと攻めかかったが、羽生九段が突き放して勝利。ABEMAの中継に出演した先崎学九段(53)は「(先手が)中盤で歩を取り込んで歩を成って、桂馬を捌かせてから飛車を回る差し回しがすごいなと感じた」と勝負所で光った羽生九段の構想についてコメントしていた。
この結果、新旧の日本将棋連盟会長対決は“新会長”に軍配。羽生九段のリーグ成績は2勝1敗、佐藤九段は不戦敗を含む2敗となった。8月17日に予定されている4回戦では、羽生九段が横山泰明七段(42)、佐藤九段は木村一基九段(50)と対戦する。
(ABEMA/将棋チャンネルより)