8月6日、神奈川・横浜武道館でプロレスリング・ノア真夏の最強決定リーグ戦『ABEMA presents N-1 VICTORY 2023』が開幕した。

 国内外の選ばれし16選手がA、Bブロックに分かれて8.6横浜武道館から8.27カルッツかわさきまで全8大会で総当たりリーグ戦を闘い、それぞれのブロック1位通過選手が9.3エディオンアリーナ大阪で優勝決定戦を行う。

 今年の『N-1』はNOAHの重鎮である丸藤正道、杉浦貴や、藤田和之、鈴木秀樹、桜庭和志といったベテラン勢がエントリーされておらず、NOAH新時代を感じさせる出場メンバーとなった。

 そんな中でまず飛び出したのは「NOAHの舵取り」を自認する現GHCヘビー級王者のジェイク・リーだ。ジェイクは開幕戦メインイベントに登場し、Aブロック公式戦で現GHCタッグ王者ティモシー・サッチャーと対戦。

 元WWEスーパースターで英国流のねちっこいグラウンド技術に定評があるサッチャーに対し、ジェイクは序盤から寝技で真っ向勝負。中盤、サッチャーの執拗な左腕集中攻撃に苦しめられたが、カウンターのレッグラリアットや豪快なアトミックドロップで反撃の糸口をつかむと、勝負を急いだサッチャーがフジワラアームバー(脇固め)を仕掛けにきたところ、素早く回避し、ニーリフトから起死回生のジャイアントキリング(ランニング・キッチンシンク)で形勢逆転。

 サッチャーがコーナーまで吹っ飛ぶと、そこへ間髪をいれずに必殺のFBS(串刺し式フロントハイキック)を突き刺し、3カウントを奪取。見事、開幕戦を白星で飾った。

 試合後、マイクをにぎったジェイクは「サッチャー、いい経験を積めたぜ。俺はまだまだアンタとやりたいね」と難敵を称えたあと「ここ横浜武道館は俺がこの(GHCヘビー級の)ベルトを獲った時の会場だ。この勢いのまま俺は全勝優勝する!」と、あらためて史上初となるGHCヘビー級王者による『N-1』全勝優勝を宣言した。

 同じAブロックでは優勝候補の一角である拳王が、初出場のアダム・ブルックスに雪崩式ブレーンバスターからのオージーバスターでフォール負け。ライバル・清宮海斗の新日本プロレス『G1クライマックス』予選敗退を糾弾した男が、まさかの黒星発進となった。

 また、初参戦のDRAGONGATE 元オープン・ザ・ドリームゲート王者の吉岡勇紀は、マサ北宮に勝って白星発進。8.9後楽園ホールでは、ジェイク・リーとの公式戦が組まれており、早くも前半戦の山場を迎える。

 一方、Bブロックは潮崎豪がサクソン・ハックスリーを豪腕ラリアットで破り、GHCナショナル王者のイホ・デ・ドクトル・ワグナーJr.は稲葉大樹に勝利し順調に白星スタート。

 7.15後楽園で、全日本プロレスのエース宮原健斗との“元・健介オフィス兄弟弟子対決”を制した中嶋勝彦は、征矢学のジャンピングDDTでフォール負け。開幕戦で大きな1勝を手にした征矢がBブロックのダークホースとなりそうだ。

 全日本プロレスから参加の超新星・安齊勇馬は、“ワイルド・サモアン3世”ランス・アノアイのサモアンスプラッシュの前に敗れた。

 誰が飛び出すかわからない、今年の『N-1 VICTORY』。はたして無敗街道をひた走るジェイク・リーを止める者は現れるのか?

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