将棋の藤井聡太竜王(名人、王位、叡王、棋王、王将、棋聖、21)への挑戦者決定三番勝負第2局が8月14日に行われ、伊藤匠六段(20)が永瀬拓矢王座(30)に勝利。自身初となるタイトル挑戦と七段への昇段を決めた。今期の竜王戦七番勝負は藤井竜王と伊藤新七段による“同学年対決”で争われる。終局後には記者会見に応じ、「(藤井竜王は)今は将棋界の絶対王者という存在。自分としてはぶつかって行くだけ」と意気込みを語った。主な会見の内容は以下の通り。
――初タイトル挑戦を決めて
タイトル戦は将棋を始めた頃から憧れていた舞台なので、非常に嬉しい気持ちです。
――その相手が藤井竜王。同学年ということで幼少期から対戦があったと思うが。
今は将棋界の絶対王者という存在なので、自分としてはぶつかって行くだけなのかなと思っています。
――前期は“1組の壁”に阻まれたが、今期は5組優勝から挑戦権獲得まで駆け上がった
今期の竜王戦は自分の実力以上の結果が出せたという気がしていて、勢いでここまで来れたのかなというのが正直なところで、まだまだ実力は伴っていないのかなと思っています。
――伊藤六段から見た藤井竜王の強さとは
序盤中盤終盤どこを取っても全く隙が見当たらない将棋なのかなという印象です。
――「絶対王者」「隙が無い」相手にどのような七番勝負を挑むか?
まだまだ実力的には足りない部分が多いと思いますが、注目してもらえる舞台なのでシリーズを盛り上げられるように頑張りたいと思います。
――藤井竜王とは小学3年での初対戦がよく取り上げられるが、どのように記憶している?また、藤井竜王への思いの変遷は?
小学校の時に対戦したことはほとんど記憶にはないです。自分としては常に藤井竜王を追いかけてここまで来れたのかなという気がしているので、自分を引き上げてくれた存在だと思っています。
――プロ入りから3年目でのタイトル戦挑戦
自分の実力からしたら、出来すぎの結果なのかなと思っています。
――師匠・宮田利男八段へ
師匠については、兄弟子の本田(奎六段)さんも挑戦されていますし、またタイトルを獲ってから報告できればいいかなと思っています。
――「羽生世代」と同じように、「藤井世代」というものを意識する?
藤井世代と言われるには、自分たちも良い勝負が出来ないとなかなかそうはならないと思うので、なるべく良い内容の将棋で盛り上げられればと思います。
――竜王戦は若くしてタイトル獲得者が生まれるなど、“竜王戦ドリーム”と呼ばれることもある舞台。伊藤六段の認識は?
たしかに2年連続でランキング戦で優勝できたこともあり、(竜王戦との)相性の良さのようなものは感じています。でも、やっぱり七番勝負の相手が藤井竜王ということでかなり厳しい勝負になると思うので、あまりそういったことは意識せずに目の前の一局に集中できればと思っています。
――合計41歳での番勝負は歴代最年少の記録となる
そうなんですね…。あまり年齢については意識していませんが、そういったことで皆さんに注目してもらえるのであれば、ありがたいことだなと思います。
――七番勝負への意気込み
藤井竜王とのシリーズは皆さんに注目していただける舞台だと思うので、全力を尽くしてシリーズを盛り上げていければと思います。
<第36期竜王戦七番勝負スケジュール>
第1局 10月6・7日(金・土)東京都渋谷区「セルリアンタワー能楽堂」
第2局 10月17・18日(火・水)京都市「仁和寺」
第3局 10月25・26日(水・木)福岡県北九州市「旧安川邸」
第4局 11月10・11日(金・土)北海道小樽市「銀鱗荘」
第5局 11月27・28日(月・火)香川県琴平町「ことひら温泉 琴参閣」
第6局 12月6・7日(水・木)秋田県大仙市「旧本郷家住宅」
第7局 12月13・14日(水・木)山梨県甲府市「常磐ホテル」
(ABEMA/将棋チャンネルより)