今季からMLBオークランド・アスレチックスに移籍し、開幕当初に苦しんだものの、その後、徐々に調子を掴むと、7月19日にボルチモア・オリオールズに移籍後、さらに調子を上げ、今や貴重な戦力として活躍中の藤浪晋太郎。そんな藤浪の“変化”について、元MLBプレーヤーの川﨑宗則氏が言及した。
【映像】打者震撼!藤浪が「衝撃の豪速球」を投げる瞬間
持ち味である驚異の剛速球から、移籍早々に「火炎放射器」の異名まで与えられるも、開幕当初は制球に苦しむ場面が目立ち、自らが“炎上”するケースも少なかった藤浪は、その後、徐々に現地での生活や、MLBの野球に慣れ始めると、調子が向上。7月19日にオリオールズへと移籍した後は、さらに調子を上げ、8月1日にオリオールパークで行われたボルチモア・オリオールズ対ニューヨーク・メッツの一戦では、ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平や、千葉ロッテマリーンズの佐々木朗希を抜き、日本人投手最速となる102.6マイル(165.1km/h)をマーク。さらなる注目を集めることとなった。
これまでの成績を見ていくと、4月は18イニングを投げ、19四死球と制球に苦しみ、防御率も4月は13.00、5月も10.50と、“大台”を超えたままの苦しい状況が続いていたことから、辛らつさで知られる現地メディアはもとより、日本のメディアやファンからも、厳しい声が相次いでいたが、それでも、5月10日のニューヨーク・ヤンキース戦では、胸元を抉る球で不穏な空気が流れるも、荒れ球を逆手にとる形で、2回無失点の好投。現地ファンからは「やればできる」「このくらいの荒れ球だったらかなり効果的」といった好意的な声も散見されるなど、復調の兆しも垣間見せていた。さらにその後、様々な起用法での登板で徐々に感触を掴みながら調子を上げた藤浪は、6月の防御率は4.35と大幅に改善。さらに7月は2.93と、開幕当初の苦戦ぶりが嘘であるかのような投球を見せるまでになった。このあたりから、藤浪に対する日米の論調が急速に変化していったことは言うまでもないが、こうした経緯を見るに、藤浪には、苦しい時期を持ち応え、現在の飛躍を掴むまでの間に、球場外から浴びせられるネガティブな視線と声に打ち勝つ精神的なタフさと、ポテンシャルがあったことだけは間違いないだろう。
なお、こうした藤浪の変化について、元MLBプレーヤーの川﨑宗則氏は、“MLB野球”への適応に加え、「(MLBの)質を高める練習が合ってると思います。」と、現地でのトレーニングや食事などの管理体制も含め、藤浪自身がそもそも“MLBに合っている”タイプであることを、8月6日に放送された『ABEMAスポーツタイム』(ABEMA)で指摘。また、現在の藤浪の精神状態についても、「今、藤浪選手は、メンタル的には整っているんですよ。」と、好調の要因と思われる部分について言及しつつ、今後のさらなる活躍に太鼓判を押した。
(ABEMAスポーツタイム)
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