「なぜシュートを打たないんだよ」。おそらく試合を見ていた多くのファンが思っただろう。
GKと一対一を迎えた三笘薫が選択したのは、アンパイな味方へのパス。さらにこの決定機を決めきれなかったことで、三苫自身も「打っておけばよかった」とばかりに両手を広げて不満げなジェスチャーを見せた。
プレミアリーグ挑戦1年目だった昨シーズンの三苫は、日本人選手の1シーズン最多ゴール数となる7ゴールをマーク。ブライトンで欠かせない存在へと成長し、クラブ史上初となるUEFAヨーロッパリーグ出場に貢献した。
しかし決して手放しで喜べるものではない。4月1日のブレントフォード戦で7ゴール目を奪って以降、12試合連続ノーゴール。解説を務める林陵平氏からは「三笘にはフィニッシュの改善を求めたいですね。フィニッシュの精度が上がってくるとより怖い存在になる」と今後の課題として得点力アップを求められていた。
迎えた新シーズンの開幕戦で早速チャンスが訪れる。42分、裏に蹴られたロングボールに三笘が反応。ボックス内で相手DFとの競り合いを制してボールを奪い、GKとの1対1を迎える。右足に持ち替えて、あとはファーサイドに得意の巻いたシュートを放つだけ。しかし三笘の判断は、味方へのパスだった。結局、ボールを受けたウェルベックは、シュートを相手DFにぶつけてしまいゴールとはならず。三笘も点を仰いで悔しがった。
このシーンは8月13日に放送された「ABEMAスポーツタイム」でも放送され、メインコメンテーターを務める槙野智章は「本当は打っておけば良かったという思いがあったでしょう。全体的に三笘選手の優しさが現れていた。仲間思いのプレーがあった」と三笘を思いやった。
圧倒的なドリブルはプレミアリーグで通用することがわかった。あとはゴールだけ。日本代表最高のウインガーとなれるか。今季の活躍に期待したい。
(ABEMAスポーツタイム)