8月9日にZOZOマリンスタジアムで行われた千葉ロッテマリーンズ対オリックス・バファローズの一戦で、オリックス・宮城大弥が披露した“魔球”ともいうべきスローカーブに、野球解説者の里崎智也氏が言及した。
【映像】打者が困惑する遅すぎる“超魔球”
0-0の同点で迎えた2回裏2死1塁、打者は8番・田村龍弘という場面、宮城は初球、やや外寄りのストレートで1ストライクを奪うと、続く2球目、今度はストレートとほぼ変わらぬフォームから、真ん中低め、ボールゾーンへと緩やかに沈み込む93km/hのスローカーブ。球速差52km/hもの緩急で幻惑すると、続く3球目はほぼ真ん中へ96km/hのスローカーブでカウント1-2と追い込み、最後はストレートでショートゴロを打たせてこの回を終えた。
また、1-0、オリックス1点のリードで迎えた続く3回、2死二塁のマウンドでも、4番・ポランコに対し、速い球を見せた上でスローカーブを投げてカウントを整えると、最後は147km/hのストレートでレフトフライに。なお、ポランコに対しては、3-0とリードを広げた6回の打席でも、スローカーブから入って幻惑し、外角やや低めのスライダーでライトフライに打ち取っている。
8月18日放送の『バズ!パ・リーグ』(ABEMA)では、改めてこの宮城の“魔球”について紹介することとなったが、VTRでこの日の投球を見た野球解説者の里崎氏は、「2ボールからになると、わざわざこのスローカーブ、いきなり振ろうとは思わないですよ。もったいないですよ。頭にない球をわざわざ振りに行くよりは、自分の意識した球を振ったほうがいいんで。」と、打者目線で考えると、打者に有利なカウントでは、狙い球でもなく、また、打ち損じるリスクもあるこうした球に手を出さない傾向にあることを指摘しつつ、そうした性質を踏まえた上で、「ボール先行のカウントで、(スローカーブが)入りのストライクになってくると、このポランコの時とかは、逆に振るべきではないですよ。そういったところで、簡単にストライクがとれるボールでもあるので、カウントによってはかなり有効的なボールになるでしょうね。」と、ストライクを取りにいく場面では、有効なボールとなり得ることを解説する形でコメントした。
(ABEMA『バズ!パ・リーグ』