リンパ腫を乗り越え… デザインで“フィンランドと日本の架け橋”を目指すグラフィックデザイナーの思い
【映像】AYAさんがデザインした作品
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「自分が本当に好きで、自分が喜ぶことをして生きていってあげたい」

 そう語るのは、フィンランドと日本で活躍するグラフィックデザイナーのAYA IWAYAさん。

【映像】AYAさんがデザインした作品

 AYAさんは、フィンランドで子どもが生まれると政府から贈られる「育児パッケージ」の箱のデザインを、日本人として初めて手掛け、注目を集めた。

 『ABEMA Morning』はAYAさんにインタビューを実施し、グラフィックデザイナーになったきっかけなどを聞いた。

「高校生の頃に校外活動でフリーペーパーを作っていた。そこでイラストが情報を伝えるための補助のようなものになると知って、『こういうお仕事があるんだな。興味深いな』と思ったのが一つ。高校の時に1年間フィンランドに留学をした時に、イッタラやマリメッコ、アルテックなどデザインが日常に溶け込んでいたのを見て、こういうところでデザインを学んでみたいと思った」

 それからAYAさんはフィンランド語を必死に勉強し、現地の美術大学を受験。受験に必要な水彩や筆などの道具を全て背負い、日本から会場のフィンランドに向かった。見事、試験を突破したAYAさんは、美術大学で学んだ後は日本に帰らずそのまま就職したという。

「最初の頃は、目の前のことに全力で集中して夢中でやっていた。そしたら、一つの仕事が次の仕事を呼び、そしたらまた他の方に評価してもらっての繰り返しで。最終的にはフィンランドが独立100周年を迎えたときに、そのグラフィックを描かせてもらえた」

リンパ腫を乗り越え… デザインで“フィンランドと日本の架け橋”を目指すグラフィックデザイナーの思い
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 そこに、「育児パッケージ」へのデザイン採用が重なり、AYAさんはフィンランドのデザイン界で存在感を示す若手デザイナーの一人となった。

 ところが、血液がんの「リンパ腫」が見つかり、日本で治療することに――。仕事が楽しくなり、もっと大きなチャレンジをしたいと意気込んでいた中でのまさかの帰国。それでも、AYAさんは前向きに仕事を続けている。

「病気を通してというのもあるが、『これをしていて自分が幸せかどうか、自分に喜びがあるかどうか』ということを考えるようにしている」

 幸い、病気は快方へと向い、現在は渋谷のスタジオを拠点にグラフィックデザイナーとして活躍している。現在、開催されている個展では「形で気持ちを伝えられるか」がテーマとなっている。

 AYAさんは、デザイナーとしてフィンランドと日本の架け橋になるような仕事をしたいと話す。

「日本とフィンランドが国交100周年だったが、そういうイベントがまた行われる際は関わらせてもらいたい。また、フィンランドの老舗のオーガニックコスメのブランディングをやらせてもらった時に、ブランドはもしかすると100年、300年続く可能性があるなと。そういうサステナブルで永続的なデザインに関わりたい」

(『ABEMA Morning』より)

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