中国の団体旅行が解禁。年内にも訪日外国人の数がコロナ前の水準に回復する可能性がある。そんな中、実業家の堀江貴文氏が大分の温泉地「別府」であるイベントを考案した。
それが、音楽にノリながら1000トンのお湯を浴びる「BEPPU ONSEN SHOWER FES. 2023」(9月9日、別府スパビーチ)。豊富に湧き出る温泉を使って、別府の新たな祭りにしようというのだ。「日本にはいっぱい温泉地あるけど、別府ほど湧いている所はない。絶対おもしろい、それだけは自信がある」(堀江氏)。
さらに、長野恭紘・別府市長も「すごく別府らしいイベント。めちゃくちゃだなというところから、スタンダードができていく」とノリノリだ。市長は2017年に温泉と遊園地が合体した前代未聞のテーマパーク「湯〜園地」の開催を後押し。今回のフェスでも観光客や宿泊客の増加が見込まれており、期待を寄せている。
このイベントが地方創生のカギとなるのか。『ABEMA Prime』で堀江氏に話を聞いた。
■堀江氏「“別府の温泉は最高だ”と外の俺たちが言わないと」
堀江氏は「長野さんが市長になる前から話していた。彼は公約通り、別府八湯温泉まつりで100トンはもうやっているから、俺は“真夏に1000トンをやるよ”と。世界中の奇抜な祭りに行ったけど、最初は意味がわからない。単純に人がたくさん集まってワイワイやっていたら楽しいという話で、世界一温泉が湧き出る別府でお湯をぶっかけるのがおもしろいということだ」と説明。
タイの水かけ祭り「ソンクラーン」を参考に始めたというが、「別府では余ったお湯が捨てられているので、何日もかけてこれを収集する。“湯水の如く”という言葉がある日本だからこそ、資源が豊かだという良さをアピールしないといけない。だけど“俺ってイケメンでしょ?”と自分で言わないように、別府も“私たちの温泉は最高だ”と言いづらいので、外からきた俺たちが言ってあげないと」と話す。
北海道・ニセコの観光資源を発見したのも外国人だった。今や通年で、国内外から観光客が訪れるようになり、地価は10年で24倍になっている。別府にもそのようなポテンシャルを感じているのか。
堀江氏は「別府は温泉地だからすでにホテルや旅館がある。新設しなくてもこういうイベントの宿泊客を受け入れられる。もともと湯治客が多いから稼働率も高い。マッサージ師はいっぱいいるし、夜の街もまあまあ充実している。大分空港は羽田から1時間半で着くし、空港からはバスで30~40分。車を運転する必要もない」とした。
また、インバウンドで富裕層を取り込む必要性を指摘する。「アジアにも近いから、日本人向けではなく、高単価の外国人がウィークデーも遊びに来るビジネスモデルに変えた方がいい。それぐらいのキャパも、面積もあるし、何より湧出量が多いから枯渇のリスクが低い。これは得難いものだ」。
■インバウンドを見越し「オーバーツーリズムを何とかしろ」
日本政府観光局は2030年の訪日外国人の数として6000万人を目標に掲げている。どう地方創生を進めていくべきなのか。
堀江氏は「別府のようなことはどの自治体でもできる。これから競争だ。6000万人の目標は2026年か27年くらいに前倒しで達成してしまうと思っているけど、逆にオーバーツーリズムを何とかしろと。東京はまだキャパがあるけど、京都はバスにも乗れない。歴史があって良い場所はいくらでもあるので、そこに誘導するように政府主導でやらなきゃいけない」と指摘する。
地方観光の課題として、交通インフラがある。自民党副幹事長の小林史明衆院議員は「ライドシェアは必要だし、やった方がいいと思っている。今まさに政策の扉が開きつつある。これだけお客さんがたくさん来て、タクシーも捌ききれないということが起こっているので、政策としても実現できるのではないか」との見方を示す。
さらに、「やらなくてはいけないのが土地利用の規制緩和だ。実は自然が豊かな場所には、市街化調整区域といって建物が作れない。しかし、エネルギーを自給自足できる住宅や建物が誕生しているので、そういう新しい技術があれば、規制を緩和することで魅力あふれる場所に新たなサービスが提供できる」とした。
(『ABEMA Prime』より)
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