今、ラーメンチェーン『天下一品』を扱ったYouTube動画が、次々とバズっている。
フットボールアワー・後藤輝基がこだわりの食べ方を披露する「ざっくりYouTube」の動画は469万回再生。「FUJIWARA超合キーン」は100万回再生を目前としている。ほかにも、チュートリアル・徳井義実が54万回、中川翔子が88万回再生といった具合だ。
天下一品によると、動画投稿が増え始めたのは4年前。「X JAPAN」などで活躍するギタリストのSUGIZO氏が、こだわりの食べ方を紹介したのがきっかけだといい、約106万回再生されている。
ラーメンライターの井手隊長氏は「天下一品の記事は絶対読まれちゃう。ずるずる読まれていくというより、ブワーって波が来る感じ」だと語る。それぞれに食べ方のこだわりがあり、話のネタになりやすいこともバズる要因だという。
「『ラーメンを食べに行くぞ』というより『天下一品を食べに行くぞ』というテンションだと思います。そういうところを含めてオンリーワン感は間違いなくある。画力(えぢから)も相当強いんじゃないかな。ビジュアルも含めて、唯一無二の存在」(井手隊長氏)
しかし、バズる動画もあるなかで、YouTubeをめぐっては悲観的な声も多々見られる。
「トップYouTuberたちが『広告収入が全盛期の10分の1になった』。食えなくなったやつがゴロゴロいる」
「撮影や編集の時間を考えると、コスパ(コストパフォーマンス)が悪すぎる」
「YouTubeは『長い』『見ない』『稼げない』。完全にオワコン(終わったコンテンツ)」
ソニー生命調べの「男子高校生が将来なりたい職業」ランキングでも、かつて1位だったYouTuberが8位に転落している。これからのYouTuberに未来はあるのか。
登録者数1000万人のYouTubeチャンネル「マツダ家の日常」の関ミナティ氏は、新たにYouTubeに加わったショート動画機能(Shorts)が秘める可能性を説く。
「『ボクシング KO集』とか(検索して)ボクシングの関連動画をずっと見るのが、いままでのYouTubeだったんですけど、ショートができたことによって、ボクシングも出てくれば、他の動画もどんどん出てくるんです」「そこで面白ければ、『ちゃんと長い動画を見たいな』と見に来てくれる。ショートと長い動画をかけ合わせることによって、いままで全くチャンスがなかった人にもチャンスがあるという状態が今のYouTube」(関氏)
このアドバイスを受けて、スピードワゴン・井戸田潤は「じゃあショートで、天下一品を食べに行って……いいね」と興味深々。井戸田は「ハンバーグ師匠」のYouTubeチャンネルを持っており、内容はほとんど趣味のバイク専門になっているが、バイク以外の話題を投稿すると、登録者が減ってしまう悩みを抱えていると告白。関氏は、その原因を「おすすめに流れてきて欲しくない」からではと推測した。
「見る物が多すぎるので、本当に好きなものだけが流れてきてほしいと思っているんです。井戸田さんのチャンネルでは、バイクを見たいんです」とキッパリ。それでもバズりたいと粘る井戸田に関氏は「バイクの中に、いろんな井戸田さんの要素を出していく。そうしたら、コメント欄で『井戸田さんが料理しているところ、めっちゃ好き』というコメントに、いいねがついていたりする。『じゃあ一回』と料理を作ってみると、それがめちゃくちゃ伸びることはある」とアドバイス。
「バイクを軸にしながら、他にどういう需要があるのか探るのがいいと思います」(関氏)
関氏は、狙い目は「料理」だといい、競合が多いなかでも、ずっと需要があるジャンルだと語る。
「料理はまず言葉がいらない。情報をたくさん見て、どういう意味か理解するのは疲れちゃうんです。『おいしそう』とか『これ食べたい』はダイレクトに脳に伝わるじゃないですか。そこから興味を持ってもらって、おしゃべりして、『この人の話面白いな』とつなげていく戦い方がある」(関氏)
関氏は、「好きなことのエッセンスを残しながら、実はしたたかにビジネスの要素を入れていく」のがいいとアドバイスした。
(『ABEMA的ニュースショー』より)
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