右フック一撃で立ったままフリーズの衝撃KOで聖地に激震が走った。追い打ちの右、左を振り抜くと天を仰ぐように崩れ落ちる戦慄のダウンシーンに実況が「(最初の)右フックの瞬間に止まった…」と驚愕。なかなか勝てないと言われた日本人が、屈強なタイ人ファイターを1ラウンド秒殺KOで沈める圧巻勝利に「立ったまま失神してる」など驚きの反響が広がっている。
8月25日にタイ・バンコク、ムエタイの聖地であるルンピニースタジアムで開催されたONE Championship「ONE Friday Fights 30」に、KNOCK OUTで活躍する小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺)が初参戦。ヨッドウィッタヤ・ペッチョンプー(タイ)を“31秒”でマットに沈める衝撃の秒殺KOで鮮烈なデビューを飾った。
昨年のムエタイMVPでルンピニースタジアム3階級王者、ロンナチャイを3月に倒すなど注目度が高い現KNOCK OUT-REDフェザー級現王者の小笠原。6月にもタイ人選手を倒した”タイ人キラー”がONE初参戦で大きなインパクトを残した。
試合はスピードの小笠原を象徴するような内容だった。ヨッドウィッタヤに対して、強烈な右ミドルを挨拶代わりに放っていく小笠原。相手のカウンターに合わせるように左ローや前蹴りを見せ、スキのない立ち上がりを見せる。
小笠原の強いインローを嫌ったヨッドウィッタヤが強引に右フックで崩しにかかるが、小笠原はカウンターの右フックを放ち、これがまともにヒット。一撃でヨッドウィッタヤの動きが立ったままフリーズする。一瞬の間のあとガラ空きの相手の顔面に小笠原が追い打ちの右、さらに追撃の左を叩き込んで勝負を決めた。
立ったままフリーズし、完全に意識が飛んだヨッドウィッタヤは、小笠原の的確な追撃で眠るように後方に崩れ落ち、天を仰ぐようなポーズのまま沈黙。ヨッドウィッタヤは足がピンと伸びたまま失神したようで、レフェリーが後頭部を守り、抱えながら試合をストップした。
衝撃のKOシーンに「立ったまま失神してる」「一発目でほぼ相手は止まっていた」と驚きの声が殺到。スローリプレイでも小笠原のパンチ破壊力とスピードは明らか。ヨッドウィッタヤの強い右をスウェイぎみにかわし、その勢いを乗せた右フック。目が完全に飛んだ”防御ゼロ”のヨッドウィッタヤに、小笠原の2発目の右フックと左をコンビネーション、さらに崩れ落ちる相手めがけて3発目の右が空を切る。まさに”スピードアクター”のコンビネーションだった。
日本勢の苦戦が続くなかでの鮮やかな瞬殺劇に、ABEMA実況の小出アキラ・アナウンサーは「一瞬だ!やったぞ小笠原瑛作!」と感情を露わにすると「右フックの瞬間に止まった…」と驚いたように続ける。するとゲストでジム同門の鈴木千裕はさらに大興奮「センパイ、まじでサイコー、すげぇ〜マジかっけえ。これがKNOCK OUTだ」と絶叫した。
試合後に喜びを爆発させた鈴木だが、日本円で約145万円のファイティング・ボーナス獲得が告げられると「センパイご馳走様です」と笑いを誘った。