“桁が2つ違う”お金持ちがデパートで絵画や土地を爆買い!「外商」の心くすぐるテクニックとは?
【映像】外商の条件は「年収1500万円以上?」他には?
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 コロナ、そして長引く不況でデパートの閉店が相次いでいる。一方、百貨店業界全体で見てみると、実は業績は右肩上がりで店舗によっては過去最高売上を記録するところも。好調の理由は、外国人観光客によるインバウンド需要と、「日本のお金持ち」。

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 あの手この手で“桁が2つ違う”お金持ちの心をくすぐっているのは、富裕層を相手に商品を売る「外商」。三越伊勢丹、高島屋、松屋など大手デパートには欠かせないサービスで、大きな売上を生み出している。彼らの仕事は「顧客から欲しい商品を聞き出し、探し出すこと」「顧客のもとへ商品を持ち込む、あるいは来店時に専用スペースで販売すること」である。

 ネットショッピングですべて完結する時代。なぜ富裕層はリアルな接客、外商を求めるのか。『ABEMA Prime』では、デパートをめぐる消費者意識の変化、そして外商の可能性を当事者たちと考えた。

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■外商の「審査」と「強み」

 モデル・商品プロデューサーの益若つばさは「私は伊勢丹の外商に入っている。きっかけは『ポイントがたくさん貯まること』だったが、仕事柄プレゼントや差し入れする機会が多いため、トレンドを教えてくれる外商には助けてもらっている。また、自分の買い物でも『シルバーのブーツを探している』と連絡すると様々なブランドのものを用意してくれる。とはいえ、なぜ自分が外商に入れたのはわかっていない」と述べた。

 外商サービスを利用するには審査があり、松坂屋の場合は「相応の安定した年収」「社会的な信用」「日本国内に住む(国籍は問わない)」「20歳以上」「年会費1万1000円(税込)」などの条件がある。

 デパート側と客側、どちらから声をかけるのか。松坂屋名古屋店の大橋正延氏は「こちらからお願いする場合もあるし、お客様からおっしゃっていただく場合もある」と説明した。審査は外部の信用調査会社などが行うという。

 外商サービスを利用するメリットには「店舗に行かなくていい」「見て回る必要がない」「失敗しない買い物ができる」「貴重な商品が比較的手に入りやすい」「優待割引」などがあるといい、富裕層に人気の商品には、高級輸入時計やラグジュアリーブランドのバッグ、現代アートなどがあるという。

 外商の強みについて大橋氏は「ご自身ではなかなか手配できないものも外商員が頑張ればニーズに合わせたものをご提案・ご提供できることがある。そうした『松坂屋の外商がよくやってくれた』という話はお客様同士で広がり、新しいお客様のご紹介につながることも多い」と胸を張った。

 松坂屋では不動産や外車などデパートで売っていないものも扱っており、旅行を提案することもあるという。今までの“印象的なお買い物”を尋ねると大橋氏は「建てられたゲストハウスのカーテンや玄関マット、壁にかける絵画まで全てご用命いただいたこともある」と振り返った。

「ネットでなんでも買える時代」、外商とはどんな存在なのか? 経済評論家の鈴木貴博氏は「ネット全盛だからこそ、自分では気づかない・見つけられないものを見つけてくれる価値が逆に大きくなっている」と説明した。

 益若は「私は情報やスピードに投資している感覚だが、会話を楽しむために外商に入られている方も多いと聞く。外商はそういった幅広いニーズを手厚くケアしている」と実情を語った。

 外商を利用する層に変化は起きているのだろうか? 大橋氏は「松坂屋においては30・40代の若い方が増えている。今まで外商を知らなかった方に良さを感じていただいて、そこからマーケットが広がる形になってきている」と述べた。

■お金持ちばかり“優遇”して良いのか?

 外商を利用する人の増加は日本の「格差の象徴」とも捉えられる。一般客からの目は気にならないのだろうか。大橋氏は「当然意識はする。とはいえ、教育・医療と同様、特別なサービスを受けられる方に対して、我々も相応のサービスをさせていただきたい。一方で、当然のことだがそうでない方に冷たくするわけではない。両輪で進めるべきだ」と述べた。

 鈴木氏は「これまで百貨店の外商は黒子的な存在だったが、最近は少し目立ち始めた」と話す。

「実は日本の富裕層がすごく増えている。10年ぐらい前は80万世帯程度であったが今は148万世帯くらいまで増えた。それに伴って外商による接客が目につくようになったのでは」
(『ABEMA Prime』より)

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