国民民主党の前原誠司代表代行が25日、ニュース番組「ABEMA Prime」に出演。同党の玉木雄一郎代表と、ネット掲示板「2ちゃんねる」創設者のひろゆき氏と共に議論を行った。
9月2日に投開票を迎える国民民主党代表選。玉木代表と前原代行の“一騎打ち”が、どのような展開を迎えるのか、注目が集まっている。
21日、国会内で開かれた共同会見で「国民民主党のビジネスモデルを変えたい」と発言していた前原氏。番組内で行われた60秒のPRタイムでは「国会議員の中で一番鉄道が好きな人間」とアピール。民主党政権時代、国土交通大臣を務めた経歴に触れ「成田空港までいかないと国際線に乗れなかったが、羽田空港からも乗れるようにした。潰れかけた日本航空を再生し、全日空との競争条件を整えたのも私だ。つまり、与党にならないと大きな仕事はできないし、日本を変えられない」と発言。「今は小さな政党だが、政策理念が一致する他の政党と力を合わせて、自民党に変わりうるものをしっかり作りたい」と意気込みを見せた。
これに対し、ひろゆき氏は「党の方針をビジネスモデルと言うのは、やめたほうがいい」とアドバイス。「ビジネスやお金のイメージがついてしまうのが良くない。あと60秒の中で、最初に鉄道好きを出したが、鉄道好きに共感する人はあまり多くないと思う。もっと共感を求めるメッセージがいい」と指摘した。
ひろゆき氏が「なぜ羽田空港から国際便が飛ばせるようになったのか、もっと説明したほうがいい」と話すと、前原氏は「自民党政権では、成田空港を作る時に『内際分離』という約束事があったからだ。成田と羽田を分けていた」と説明。
「あの頃は韓流ドラマの『冬のソナタ』が流行っていて、地方空港からソウルに行く便が増えていた。羽田から成田まで行くのは大変だから、仁川(インチョン)で乗り換えるようになって、日本のハブが仁川になりかけていた。『これはまずい』と思って、とにかく羽田の国際化を進めた。私が大臣の時、特にうまくいったのは4本目の滑走路で、14.4万回の年間離発着量が増え、当初は3万回を国際線に振り分けた。北京、ソウル、台北だけだったから、私が『9万回にできないか』と航空局に行き、羽田から全世界に飛べるようになった。やると決めたらもうやるしかない。それが政権交代だ」
2009年、民主党は総選挙で300議席超の圧勝で政権交代を実現した。しかし、1年足らずで支持率は急落した。ひろゆき氏が「民主党政権を成功だと思っていない国民がまだ多い。国民の支持を得づらい」と指摘すると、前原氏は「反省しないといけないところだ」とコメント。
その上で、前原氏は「今は多くの方々が『自民党では駄目だ』『30年間賃金が上がっていない』と思っている。お金を持っている人はより豊かになる一方で、まともに働いても食えない人も多い。新型コロナの流行で、大学に行けなくなった、パパ活をしなくてはいけなくなった若者もいる。そんな国の土台を今作っているのは自民党だ。“過去に民主党が失敗したからやめる”ということではない。七転び八起きでも自民党に代わる受け皿を作るチャレンジをし続けないといけない」と主張。
玉木代表の「政策本位で与党とも連携する」といった路線に対し、前原氏は「政権交代には野党結集が必要」「野党をまとめて大きく政治を変える」としている。
前原氏は「非自民非共産の政策本意で協力していく。対象となりうるのは立憲民主党、そして日本維新の会だ。私はどちらにも呼びかける。他の野党がどのように呼応されるかはわからない」と回答。
また、国民民主党で代表を3年間務めた玉木雄一郎代表について、前原氏は「47都道府県を回られ、フットワーク軽く努力をされたのは認める」とした上で「3年間で支持率0.7が2.5になったが『何十年かかるねん』という感じだ」と苦言。
「私は『玉木個人商店』と言っているが、若い男性の玉木支持はすごく多い。一方で、女性が非常に少ない。支持率が2%前後なら、女性の支持は1%もいない。シニアの方々の支持も薄い。我々は子ども政策として教育の無償化を提言している。教育国債を発行して、来年から教育費を倍にしたい。奨学金の返済免除も実現する。自民党は財務省の言いなりだから、教育国債は『絶対ノー』だ。我々が政権を取ったら財務省を黙らせる。こういった施策を多くの人に届くよう、戦略を練ることが大事だ」
(「ABEMA Prime」より)
■Pick Up
・「ABEMA NEWSチャンネル」がアジアで評価された理由
・ネットニュース界で話題「ABEMA NEWSチャンネル」番組制作の裏側