突き刺すようにヒジを一閃すると、額が割れ、血がしたたる前のめりダウン。“これぞ一撃”の戦慄KOシーンに実況は「一発で割れました」とドン引き。元ムエタイ3冠王者も「これは無理だ…やばい、やばい、えぐい」と驚きを隠させなかった。
9月1日にタイ・バンコクで開催されたONE Championship「ONE Friday Fights 31」。アラヴァディ・ラマザノフ（ロシア）とアレッサンドロ・サーラ（イタリア）の試合は、ラマザノフが開始99秒、右ヒジを振り抜き一撃でKO。ド派手はKOシーンにもニコリとも笑わない無表情なラマザノフだが、勝利者ボーナスの現金支給で急変。顔をほころばせるギャップにも注目が集まった。
ONEでも立ち技、MMAとその実力を遺憾なく発揮している最凶民族ダゲスタン共和国出身のラマザノフ。しかし、直近は元王者ノンオー・ハマと続くマブルド・ツピエフに連敗中を喫して仕切り直しの一戦。対戦相手は22歳のイタリアのムエタイ戦士・サーラ。”イタリアン・フェラーリ”のニックネームにもかかわらず「愛車はホンダのシビック」というどこか憎めないファイターだ。
この日のラマザノフは“ベイビーフェイス・キラー”の異名どおり、ファンが震え上がるような”ひと刺し“で試合を決めた。
ゴングとともに距離を探り合い、リーチのあるサーラに対し遠距離から俊敏性のあるパンチや前蹴りを繰り出すラマザノフ。すると、相手の振り抜いた右ヒジをかいくぐって一度右のパンチ…と見せかけてフルスイングで右ヒジを一閃。
次の瞬間、鈍い音とともに崩れ落ち、リングに四つん這いになったサーラの額からは大量の血がしたたり落ちた。効いたのと同時に心が折れたか…戦意を喪失したサーラはぐったりと力尽きた。
上からスパッと振り抜くヒジでサーラの額が割れる衝撃KOに「顔が割れた」「まじで刃物だ」とファンは騒然。ABEMA実況は「一発で割れました」と驚きを隠せない様子で漏らすと、解説でムエタイ3冠の雅駿介も「これは無理だ…やばい、やばい、えぐい」と絶句するも、続けて「ワンツーを打った後に、同じ軌道でツーをヒジに変化させた。まっすぐ（パンチ）だったらガードに当たっていたと思うが、ガードを斜め上から突き破る形でヒジで顔面を捉えた」と冷静に分析した。
勝ったラマザノフは何事も無かったように終始ポーカーフェイス。勝ち名乗りでも真顔で腕を振り上げる姿は、まるで映画に出てくる殺し屋のように冷酷だ。そんなラマザノフに雅も「顔が無表情なのが怖い（笑）」とポツリ。
勝利者マイクでラマザノフは「ベイビーフェイス・キラーが帰ってきたぜ。3カ月、技もフットワークもスピードも磨いてきた俺は前より強いぞ」と淡々とアピール。しかし「シリアスでクールな君だけど、たぶんスマイルになると思うよ…35万バーツ（約145万円）のボーナス支給だ」とのビックサプライズに、ラマザノフはリングアナを抱え上げニッコニコ。
あまりの激変ぶりにファンからは「本当に嬉しそう」「ボーナスを貰ったら笑顔を隠せなくなった」「金は人を笑顔にする」などのツッコミが相次いだ。
