
9月3日、大阪・エディオンアリーナ大阪第1競技場で『ABEMA presents N-1 VICTORY 2023』最終戦が行われた。
8.6横浜武道館大会から約1カ月間にわたって激闘が展開されてきたNOAH真夏の最強決定戦『N-1』もいよいよこの日が、優勝決定戦。NOAH参戦以降負けなしだった現GHCヘビー級王者ジェイク・リーを下してAブロック1位通過した拳王と、公式戦最終日に中嶋勝彦を破りさらに優勝戦進出者決定戦で征矢学を下す2連勝でBブロックを突破した潮崎豪が、NOAH最強を決めるべく決勝のリングで対戦した。
両者は『N-1』の前身である『グローバル・リーグ戦』2017年大会決勝でも対戦しており、その時は拳王が勝利し優勝。シングルでの対戦成績は、これまで拳王が4勝1敗1引き分けで大きく勝ち越しているが、前回、2020年8.10横浜文化体育館で行われた、史上初のGHCヘビー級&GHCナショナル王座の2冠戦は、大熱戦の末に60分時間切れで引き分けている。言わば、真の決着戦とも言える一戦だ。
まず、主導権を握ったのは、『N-1』前にあえて自身のユニット金剛を解散し、イメージカラーを赤から青に変えてまでNOAHに新しい展開をもたらそうとする拳王だ。リング内外で容赦なく蹴りまくってダメージを蓄積させ、潮崎がなんとか田上明のダイナミックボムを彷彿とさせるシットダウンパワーボムで形成逆転を図るも、危暴をキャッチされたところアンクルホールドで切り返し、そのまま無防備な潮崎の顔面を蹴り上げる。
潮崎も拳王のPFS(ダブルフットスタンプ)をギリギリでかわすと、ローリングクレイドル、スクールボーイ、首固めと丸め込みの連続で追い込んでからゴーフラッシャーを決めるがカウント2。さらに場外に転落した拳王にトップロープ越しのトペスイシーダ、コーナーから雪崩式リバースブレーンバスターで叩きつけ、なおも持ち上げて次なる技を狙うが、拳王は顔面へのニーリフトでこれを脱出した。

ここからは意地と意地の張り合いだ。潮崎がボディスラムからムーンサルトプレスを解禁するが、拳王はこれを剣山で迎撃し、新技・拳王スペシャルにいくが潮崎はすかさずロープブレイク。拳王の高速ドラゴンスープレックスや、ついに決まったPFSもカウント3ギリギリで返した。
拳王は、ならばとジェイク・リーを破った炎輪(ムーンサルト・ダブルニードロップ)を狙うが、潮崎の回避を予見し両足で着地。潮崎はそこに豪腕ラリアットを叩き込む。そして壮絶な打撃戦となると、潮崎はNOAH創業者・三沢光晴を彷彿とさせるエルボーのワンツーから、ローリングエルボー、さらに走り込んでのエルボーバットでこれを制し、一気にエメラルドフロウジョンを爆発。
これがカウント2で返されると、「いくぞー!」の掛け声とともに拳を握り、師匠・小橋健太から継承したムーンサルトプレスを今度は完璧に決めてカウント3を奪取。“I AM NOAH”潮崎豪が、小橋健太、三沢光晴、田上明というNOAH3大レジェンドの得意技を駆使して拳王を下し、念願の『N-1 VICTORY』初優勝を飾った。
試合後、敗れて控室に戻る拳王に向かって大きな「拳王」コールが送られる中、GHCヘビー級王者のジェイク・リーがリングインすると、潮崎はマイクを握り「ジェイク、おまえのGHC、俺が獲りにいくぞ!」と宣戦布告。
これに対しジェイクは「あらためまして、N-1優勝おめでとうございます」と余裕の賛辞を述べたあと、「私はずっと強~い潮崎豪と闘いたかった。そんな強い潮崎豪が帰ってきた。ならば私の次の仕事は、そんなあなたを暗~い海の底に沈めること。沈ませてやるよ、潮崎豪!」と、返り討ちを宣言。潮崎も「一つ言い忘れていたよ。俺が“I AM NOAH”だ!」と引かず、NOAHに至宝GHCヘビー級のベルトを奪い返すことをあらためて誓った。
NOAH参戦以降、“方舟の舵取り”を自認してきたジェイク・リーと、NOAHの正統後継者として“I AM NOAH”を叫ぶ潮崎豪。はたしてNOAHの真の頂点に立つのは、どちらになるのか? 9.24愛知・名古屋国際会議場でのGHCヘビー級タイトルマッチ、ジェイク・リーvs潮崎豪でそれは決まる。
(C)プロレスリング・ノア
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