これまで世界各国で用いられてきた武器や防具には、その時代ごとの英知を注ぎ込んだ様々なものが存在しているが、そうしたアイテムの中には、“隠された機能”が備わっているものも少なくない。今回紹介する動画は、西洋甲冑の「胸のV字」についての機能だ。
中世騎士の武器術を教えているという西洋剣術スクール『キャッスル・ティンタジェル』が投稿したこの動画(@castle_tintagel)に登場するのは、歴史系の映画などでもおなじみの、騎士が身にまとう鎧。その胸元につけられた「V字」型のパーツ、一見ただの飾りのように思われがちだが、実は斬り込んできた相手の剣の先端部分である「切っ先」が、そのまま自分の喉元へ滑り込むように刺さるのを防ぐ目的があるのだという。つまり、たとえ相手の剣の先端が鎧の胸近くに到達しても、Vの字に沿って左右に「切っ先」が流れていくため、急所である喉をひと突きにはされないというわけだ。
雑学的なネタとして投稿したこの動画が話題となり、再生回数は既に190万回を突破。また、動画を観たネット上の人々からは「納得!!」「戦車でいう所の跳弾板(同様の原理で砲塔基部等弱点部位への跳弾確率を低減する)ですね こういうところに技術の連続性を感じて楽しい」「このV字デザインに行き着くまでにいったい何人の兵士の尊い犠牲があったのか…」「これ矢が飛んできた時も首元避けてくようになってるんだよね確か」「こういう、実用性を求めた結果現れる自然なカッコよさっていいよね。機能美ってやつ?」といった様々な声が寄せられている。(ABEMA『週刊BUZZ動画』)