男子への助成が広がるHPVワクチン「性教育と絡めて話す必要ない」思春期の息子にどう伝えるか
【映像】性教育の話よりも…思春期男子には「直球勝負」で
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 子宮頸がんの予防で知られる「HPVワクチン」。男子についても、厚労省が去年から定期接種を検討しているほか、東京・中野区など、独自に接種費用を助成する自治体がいくつか出てきている。しかし、性交渉が関係するHPVのワクチンについて、思春期の男子に親はどのように説明すればいいのだろうか。

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 女性の子宮頸がんの原因となるHPV(ヒトパピローマウイルス)。この感染を予防するのが「HPVワクチン」だ。日本では女子のみが定期接種の対象となっているが、8月から、都内の自治体で初めて、中野区が男子への接種費用の助成を始めた。

 男子への接種の意義について、佐久医療センターの小児科医長、坂本昌彦氏に話を聞いた。

男子への助成が広がるHPVワクチン「性教育と絡めて話す必要ない」思春期の息子にどう伝えるか
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「子宮頸がんだけではなく、男性が感染の中心である中咽頭がん、のどのがんなどにもHPVが関係していることが近年はわかってきている。そういったがんを減らすために、男性にも積極的に接種を勧めたい」(以下、坂本氏)

 中野区の費用助成の対象は小学6年生から高校1年生の男子で、3回の接種で計5万円程かかる費用が無償となる。男子へのHPVワクチン接種は、女性の子宮頸がんを予防することにもつながるという。

「子宮頸がんは性交渉によって感染する病気。(HPVは)出産可能な年齢の女性の8割が、その人生の中で一度は感染する可能性があると言われていて、非常にありふれた身近なウイルスだ」

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 HPVは、性交渉によって男性から女性に感染させる可能性がある。しかし、男性側がワクチンを接種しておけば、将来、パートナーに感染させるリスクを減らせるため子宮頸がんの予防になる。

「性交渉が始まる前の段階に打つほど、感染していない状態の方がより効果が高い」

 今回、助成対象となった小学6年生から高校1年生という年齢は、まさに接種すべきタイミングといえる。しかし、この時期の男の子は思春期真っ盛り。多感な子どもに、性交渉が関係するワクチン接種の意義をどう伝えればいいのだろうか。

「このワクチンを男の子に勧めるときに、性教育と絡めて話す必要はない。男性自身をがんから守るワクチンだということ。まずこの話をしっかりとする必要がある」

 男性の患者数が多い中咽頭がんだが、HPVが原因の患者が増えているという。まずは、このがん予防のために「接種の重要性を伝えるべき」と坂本氏は言う。

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「もちろん、性教育はすごく大事です。もしできるならしてほしい。しかし、性教育の話をするのはハードルが高くて、その結果、HPVワクチンの話をするハードルも上がるぐらいなら、性教育の話を脇に置いておいて、とにかく直球勝負で『あなた自身のがんを防ぐためにワクチンが大事なんだよ』という話を伝えてほしい」

 中咽頭がんの予防のために接種しておけば、結果的に将来のパートナーの子宮頸がんの予防にもつながる。

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「2006年頃に定期接種になったオーストラリアでは、2028年には子宮頸がんが撲滅されると推定されている。つまり、男女ともに定期接種になってから撲滅まで20年ぐらいかかる。日本も最近になって接種勧奨が再開されたが、男の子にも定期接種が認められて、男の子・女の子みんなが打てるような状況になれば、ゆくゆくは子宮頸がんの撲滅、そして中咽頭がんなどの減少にもつながる。定期接種になるといいなと思っている」

(『ABEMAヒルズ』より)

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